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インタビュー

不景気は関係ない? モノを扱う雑誌『MonoMax』が売れている理由仕事をしたら“30代男性”が見えてきた(前編)(4/6 ページ)

「不況でモノがなかなか売れない」と言われているなかで、モノを扱っている雑誌が売れている。その雑誌名は『MonoMax』だ。販売部数を34カ月連続で伸ばし続けているが、その秘けつはどこにあるのか。柚木編集長に話を聞いた。

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柚木:狙い通りで、ものすごく人気がありました。忙しくてなかなか決める時間がない人にかわって「決めた」からだと思います。

 ドイさんも、買い物をするときに迷ったことありませんか?

土肥:ありますね。つい最近も財布を買いにお店に行きましたが、どれを買おうか迷いました。結局、何も買わずに、お店を出ることに……。

柚木:お店へ行く前に「この財布を買うんだ」という意思があれば、問題ありません。でも判断基準がなければ、どれを買えばいいのか分からない。どの財布にどのような機能があるのかも分からない。また忙しいので、それを調べる時間もない。「ああ、もう面倒だ」という人が、財布のことがきちんと検証されている記事を読めば、「おー使いやすそうだなあ」と感じてもらえるかもしれない。

土肥:具体的にはどのように?

柚木:財布であれば、ただ財布の外見の写真が映っているだけではイメージがしにくいですよね。忙しい30代は、雑誌を読んでできるだけ想像したい。なので、この財布はどういったモノなのか。そしてその財布を持った自分はどういった姿なのか、といったことを想像できるように編集しています。想像するような見せ方にすれば「あ、この財布を買ってみようかな」と思ってくれるのではないでしょうか。

土肥:写真をみると、財布であればお札や硬貨が入っていて、カバンであればノートPCや手帳が入っている。またモデルが実際に持っている写真がたくさん掲載されていますね。

柚木:シチュエーションをいかに想像してもらえるか。このことにも気をつけています。普通に財布やカバンの写真を掲載しても面白くないですし、欲しくもならないので。

 繰り返しになりますが、30代の男性は忙しい。時間がないので、こちらが手間をかけて、こういう使い方ができますよと提案しなければいけません。そうすれば、読者の時短にもつながりますよね。そして記事を読んで「後押しされた……」といった感覚をもってくれるとうれしいですね。


「自分がこの財布を持てばこんな姿なのかな」といったことがイメージできるように編集している(MonoMax 8月号より)

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