リッツ・カールトンのホスピタリティは何が優れているのか(2/2 ページ)
筆者が関西に出張する際によく泊まるザ・リッツ・カールトン大阪。数々のホスピタリティ伝説のあるリッツだが、同ホテルでの実体験からホスピタリティ実現について考えてみた。
そのプレゼンはお客さまの目線が抜けていませんか?
以前、ある大手電機メーカーの営業職の方の顧客へのプレゼンを聞いてガッカリしたことがあります。「業界初」「開発に7年かけた」「国内初のシステム搭載」などと、商品の強みを説明していましたが、それらはお客さまの問題解決にはなっていません。
お客さまの目線になれば、「業界初」は他社も追随するかもしれないから時期尚早……。「開発に7年かけた」はそんなに開発にかけたら単価はそれなりに高い設定かも……。「国内初のシステム搭載」は前例がないので動作が心配……かもしれません。
例えば、「業界初」を「業界で最もコンパクトな製品が実現したので、オフィス内で場所をとりません」、「開発に7年かけた」を「顧客ニーズに応えるために、十分なマーケティングの裏付けがあります」、「国内初のシステム搭載」を「今までよりも処理能力が高いので、生産性に貢献できるシステムになっています」などと、お客さまの問題解決に繋がるアプローチがあれば、顧客の興味関心も前進することでしょう。
ちなみに、ザ・リッツ・カールトン大阪でのエピソード2では帰り際、アンケート内にうれしかった事実を記載してチェックアウトしました。すると後日、支配人直筆の手紙をいただきました。その時、「もう偽名で宿泊するのはやめよう! そんな失礼なことはできない!」と心が強く動きました。
お客さまの問題解決とさらにプラスアルファがあってこそ、真のホスピタリティであり、選ばれ認められる存在へとなるのです。しかも、それをどんな局面でも実践継続できることが顧客に支持され続け、組織が発展し続ける肝となります。(山岡仁美)
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