調査リポート
NEC、シャープ……早期退職者募集数はリーマンショック時の水準に
東京商工リサーチの調査によると、2012年に希望退職や早期退職者募集の実施を情報開示した上場企業は、8月30日までに50社に達し、2011年の58社を上回る水準で推移していることが分かった。
東京商工リサーチは8月31日、主な上場企業の希望早期退職者募集状況調査の結果を発表。2012年に希望退職や早期退職者募集の実施を情報開示した上場企業は、具体的な内容が確認できただけでも50社(8月30日まで)に達し、2011年の58社を上回る水準で推移していることが分かった。
総募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数をカウント)は1万5174人で、すでに前年の8623人の1.7倍。募集人数が1万5000人を超えたのは、リーマンショックに端を発した世界同時不況で、上場企業のリストラに拍車がかかった2009年の2万2950人以来、3年ぶりのこととなる。
個別企業で募集人数が最も多かったのは、半導体大手のルネサスエレクトロニクスの5000人。次いで、NECの応募人数2393人、シャープの募集人数2000人、軽自動車の受託生産を行う八千代工業の応募人数771人、液晶パネル製造装置大手のアルバックの募集人数700人と続く。募集または応募人数が100人以上だった企業は19社だった。
東京商工リサーチでは「人員削減を計画しながら具体的内容が未公表のため本調査に集計されない大手上場メーカーもあり、大規模な人員削減はまだ広がる動きをみせている。もし、年内に計画が実行されると2012年の上場企業の希望・早期退職者の総募集人数は2万人を超え、リーマンショック時を上回る事態も危惧される」とコメントしている。
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