就活開始を遅らせることは、学生にとって損失である(2/2 ページ)
就職活動の早期化が、学生の本分である学業を妨げるという批判がしばしば行われます。しかし、筆者は早期に就職活動を経験しておくことが、大学生活を充実させるきっかけにもなると主張します。
就活を意識すれば、大学生活は大きく変わる
何よりも、就活を少し意識することで大学生活も大きく変わります。そのことについて書いていきたいと思います。
就活を通して、就活生は色々な問いを投げかけられます。「学生時代に頑張ったことは何か」
「なぜそれをやろうとしたのか」「それをやっていて自分がやりがいを感じたのはどういう部分か?」「どんな場面でリーダーシップを発揮しましたか?」などなど。
大学生活の早い段階でそれを意識することで、その後の大学生活で軌道修正ができ、大学生活がより充実したものになります。「まだまだ自分には学生時代に頑張ったことが無い」と思ったなら、新しい活動をスタートすることもできます。今すでに頑張っていることがあるなら、その活動のクオリティをさらに高められる可能性もあります。
もし、大学生活卒業の直前になって初めて「学生時代に頑張ったことは何か?」と聞かれても、もうそこから軌道修正することはできません。自分で自分を振り返り、軌道修正できる学生にとってはどちらでもいいかもしれませんが、そういった学生ばかりではありません。
就活にこだわる必要はないが……
もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、私が言っていることはひと言で言うならば「PDCAサイクルを回すことが大事」ということです。「適宜振り返りを行いながら、自分の取り組みを改善していくことが大事」と言っても良いでしょう。
就活にこだわる必要はありませんが、一方で就活は学生にとって「半ば強制的にP-D-C-Aの“Check”を求められる」良い機会であるとも言えます。そういった意味では大学1〜2年からでも意識していてもらいたいところですが、遅くとも3年の夏から秋には意識し「何らかの気付き」を得てもらいたい、と考えています。
就活に追われる日々を送るのではなく、就活への意識を日々の大学生活に「取り込む」ことが出来れば「就活が忙しくて学生の本分が果たせない」と言われることもなくなるのではないかと思います。(酒井一樹)
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