Amazonの「Kindle」が日本上陸、Kindleストアもオープン
米国でKindleが登場してから5年。Amazonの電子書籍プラットフォーム「Kindle」がついに日本に登場する。Kindleストアは5万点の日本語書籍を揃えてのスタートだ。
米Amazon.comは10月24日、電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」とタブレット端末「Kindle Fire HD」「Kindle Fire」を日本で発売すると発表した。現在予約を受け付けており、11月から順次発売する。
同時に電子書籍が購入できる、Kindleストアも発表された。約5万冊の日本語書籍(1万5000点超のマンガを含む)を揃える。Kindleストアで販売されるコンテンツが読める、 iPad、iPhone、iPod touch、Android端末向けのKindleアプリも無料で提供する。
Eink採用「Kindle Paperwhite」と、7インチタブレット「Kindle Fire HD」「Kindle Fire」
Kindle Paperwhite
Kindle Paperwhiteは、初代Kindleの流れを汲む、電子ペーパータイプの端末だ。画面サイズは6インチで、重さは213グラム※。裏にライトがないため目に優しく、バッテリーのもちも良い。暗いところでも読めるよう、フロントライトが搭載されており、バッテリー駆動時間は最大8週間。
11月19日発売で8480円、3Gモデルは国内無料3G接続付きで1万2980円(NTTドコモのネットワークを利用、月額利用料はかからない)。
Kindle Fire HD、Kindle Fire
Kindle Fire HDとKindle Fireはいずれも7インチのカラータッチスクリーンディスプレイを搭載したタブレット。いずれも12月19日に発売予定だ。Kindleストアで購入した電子書籍が読めるほか、Amazon MP3ストアで購入した音楽を聴いたり、Androidアプリを利用したり、メール、Webブラウズが行える。
Kindle Fire HDは重さ395グラム、バッテリー駆動時間は連続11時間。16Gバイト版と32Gバイト版があり、価格はそれぞれ1万5800円、1万9800円。
Kindle Fireは重さ400グラムで、バッテリー駆動時間は連続8.5時間。容量は8Gバイトのみで、価格は1万2800円。
Kindleストア
Kindleストアは10月25日にオープン予定だ。角川グループパブリッシング、幻冬舎、講談社、集英社、小学館、新潮社、文藝春秋などの協力のもと、約5万冊の日本語タイトルを揃える。
ラインアップとしては『光圀伝』(冲方丁)、『ツナグ』(辻村深月)、『新世界より』特別限定版(貴志祐介)、『人生がときめく片づけの魔法2』(近藤麻理恵)、『新宿鮫』シリーズ全巻(大沢在昌)など。マンガは『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)、『マギ』(大高忍)、『ONE PIECE』シリーズ(尾田栄一郎)などの人気作品を提供。また、11月2日発売予定の『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ最新刊の独占先行予約もKindleストアオープンと同時に開始するという。
このほか、夏目漱石など過去の名作を含む無料のコンテンツを約1万冊用意する。
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