調査リポート
国内時計市場は拡大するも、リーマンショック前の水準には及ばず
矢野経済研究所の「国内時計市場に関する調査」によると、2011年の市場規模は前年比9.4%増の5000億円と、2年連続で成長したことが分かった。しかし、腕時計市場は好調だったが、置時計市場は前年の水準を下回っていた。
矢野経済研究所は2月20日、「国内時計市場に関する調査」の結果を発表。それによると、2011年の市場規模は前年比9.4%増の5000億円と、2年連続で成長したことが分かった。ただ、リーマンショック前の7000億円前後の水準には、まだ戻っていないようだ。
分野別に見ると、国内ウォッチ(腕時計)市場は前年比11.8%増の4462億円と大きく成長した。同市場では75.6%をインポートウォッチが占め、さらにインポートウォッチ市場の約86%をスイスの高級機械式時計を中心とした欧米からの製品が占めているが、スイス時計の好調が全体のベースアップに貢献した。
矢野経済研究所では「2011年3月の東日本大震災の影響により市場は大幅に落ち込んだが、6月を境に徐々に回復基調となり、50万円以上の高価格帯を中心に“反動消費”もみられた」と分析している。
一方、国内クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)市場は前年比7.1%減の538億円と2年ぶりに減少。企業記念品などの特注需要・贈答需要の回復が遅れているほか、全体的な単価の下落などが影響しているようだ。また、2012年について矢野経済研究所は「東日本大震災を契機とした防災意識の高まりから、クロックの技術を生かした防災クロックや行政防災ラジオなど関連商品の需要が好調を持続した」とコメントしている。
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