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会社員の最大のリスクは「上司」――なぜ?仕事をしたら“10年後のサラリーマン”が見えてきた(後編)(3/4 ページ)

サラリーマンにとって、最大のリスクは何だろうか。リクルートを辞めて、中学校の校長を務めた藤原和博さんは「上司」だという。なぜ上司が最大のリスクなのか。話を聞いた。

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敗者に対するリスクヘッジ

土肥:以前に比べると、サラリーマンの転職もハードルが下がりました。とはいえまだまだ、人材の流動性は低い。その背景に、日本には「敗者復活ができない」「一度負けてしまうと、そこから這い上がるのが難しい」と思っている人が多いのではないでしょうか。だからサラリーマンは「自分はこういったことがしたいなあ」と思っても、なかなかその土俵で勝負ができなかったりする。

 藤原さんは欧州で生活をされましたが、敗者復活に対する考え方は日本と違ったりするのでしょうか。

藤原:違いますね。欧米には敗者に対するリスクヘッジが、2つあるんですよ。1つめは「大学」。なにかにチャレンジして、それがダメだったとします。そのとき大学に戻って、ネットワークをつくることができるんですよね。例えば、アップルやグーグルでバリバリ働いていた人が会社を辞めて、大学に入学する。そして、バングラディッシュなど経済的に貧しい国に行っているケースがあります。そこでなにをしているかというと、自分の技術を使って「貧困」をなくそうとしている。なぜそんなことができるのかというと、会社を辞めてから大学でネットワークができたからなんですよね。

 もう1つのリスクヘッジは「教会」。仕事で大きな失敗をしても、教会から出直すことができるんですよ。米国のラスベガスでギャンブルに負けて破産した人でも教会に救われて、炊き出しなどをしながらやり直す。こうしたことは欧米では当たり前のようにやっていますが、日本ではあまり聞きませんよね。

 大学と教会――この2つの機能が、日本ではものすごく弱い。少し話はそれますが、だから日本では自殺者が多いのではないでしょうか。


欧米では会社を辞めてから、大学に入学する人が少なくない(写真と本文は関係ありません)

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