会社員の最大のリスクは「上司」――なぜ?:仕事をしたら“10年後のサラリーマン”が見えてきた(後編)(4/4 ページ)
サラリーマンにとって、最大のリスクは何だろうか。リクルートを辞めて、中学校の校長を務めた藤原和博さんは「上司」だという。なぜ上司が最大のリスクなのか。話を聞いた。
これからは「ペアで勝負する」
土肥:日本の大学ではどのような問題を抱えているのでしょうか。
藤原:情報を処理する仕事はどんどんなくなってきているのに、ほとんどの親は「自分の子どもは普通高校を卒業させて、一般大学に入学させよう」と思っている。そして会社に就職して、年収400万〜800万円を手にしようとしている。でも、今後はこうした形のレールはありません。
大学もそのことには気付いていると思うので、もっともっと特徴を出してもいいのではないでしょうか。秋田県に国際教養大学がありますが、そこは世界中から英語で授業ができる先生を引っ張ってきました。その大学に入学した学生は英語力を高めることができるので、就職率はほぼ100%を維持しているんですよ。学生は企業から引く手あまたの状態なんですよ。特徴を出そうとしない大学は、今後淘汰されていくのではないでしょうか。
今回のインタビューで、私は「人生は複線化が大切だ」という話をさせていただきました。でも複線化のことについて、学校では教えないんですよね。なぜなら大学の先生は複線化していないから。ほとんど研究もせず、指導にもチカラをいれず……それでも年収1000万〜1500万円ほどもらっている。たくさんの年収をもらっておきながら、アルバイトもできる。だから複線化する必要がありませんよね。食えちゃうんだから。
またサラリーマンは「二極化」する。年収は200万〜400万円の人と、800万円以上に分かれるという話もしました。でも200万〜400万円しかもらえなくても、ガッカリする必要はありません。働いている女性と結婚すれば、家計が400万〜800万円になるかもしれない。そして夫が複線、妻も複線の人生を歩んでいけば、いろいろなことに勝負できるのではないでしょうか。
土肥:なるほど。でも、いまは未婚率が上昇していますよね。
藤原:いや、「ペアで勝負する」という人が増えて、結婚が見直されていくのではないでしょうか。
(終わり)
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