コラム
仮設商店街に寄って、東北にお金を落とそう:相場英雄の時事日想(3/3 ページ)
「GWの予定がまだ決まっていない。どこかに行きたいなあ」という人もいるだろう。そんな人に、オススメしたい。東日本大震災で甚大な被害を受けた東北沿岸に足を運んでみるのはどうだろう?
穏やかな水面がすぐ手前の町を破壊し尽くしたとは、初めて沿岸地域を訪れる人にとってはショックが大きいかもしれない。
実際、福島県沿岸地域には何度も足を運んだ我が担当編集さんは、石巻や他の三陸の沿岸の風景に接し、しばし絶句していた。
当欄の震災取材企画でも触れたが、テレビの映像や新聞の写真で被害の甚大さを知っていても、自分の目で現地を直視すると言い様のない感覚に襲われるのだ。だが、考えてほしい。多くの被災者は、あの日からずっとその光景を目の当たりにしている。自分の土地を離れた住民も少なくないが、今も多くの被災者が現地にとどまり、生活再建に努めているのだ。現地を訪れることによって、在京メディアでは感じとれなかったさまざまな事柄を自分で感じてほしい。これが今回の記事を綴った主眼だ。
最後に、岩手県で町全体が津波と火災の被害にあった山田町の様子を伝える。沿岸各地は、自治体ごとに瓦礫処理や町の復興の度合いに大きな差が出ている。残念ながら、同町は遅れている部類に属する。
同町の中心地には、JR陸中山田駅があった。写真は、2011年の7月に撮影した同駅があった場所。
もう1つは、今月訪れたとき、同じ場所で撮ったものだ。震災から2年。町民の大切な生活基盤の1つである鉄道は、いまだにこの状況だ。報道では知り得なかったことがらを肌で感じる。今度のGWは良い機会なのだ。
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