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コラム

運行本数は増えるのか? 改良後の銀座線渋谷駅に注目杉山淳一の時事日想(2/4 ページ)

鉄道路線の終端駅では交差支障が発生し、それが列車の増発を制限する。東急東横線は地下鉄乗り入れで交差支障を解消した。一方、東京メトロ銀座線渋谷駅の改良案は交差支障を新たに発生させるようだ。この考え方の違いはなぜだろうか。

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交差支障を解消した東横線渋谷駅

 2013年3月16日に、東急東横線の渋谷駅は地下駅に移転した。いままでは渋谷駅に到着するすべての列車が折り返していたため、交差支障による制約を受けていた。しかし新しい渋谷駅は、東京メトロ副都心線直通のおかげで中間駅のような構造だ。すべての列車を直通させれば、渋谷駅での折り返しはなくなり、交差支障をゼロにできる。

 もっとも、副都心線と東横線の輸送需要は東横線側のほうが多いようで、現在は渋谷駅でも東横線列車の折り返しが実施されている。ただし、折り返し列車は4本の線路のうち、内側の線路を使って交差支障のないように配慮している。

 今後、もっと増発が必要になり、渋谷駅で折り返す余裕がなくなった場合はどうするか。実はその時のために、副都心線の新宿3丁目駅に東横線方面折り返し用の引き上げ線が用意されている。

 このように、交差支障をなくしたり、分散化することで、起点/終点型の路線は運行間隔を短くしている。このような段取りの良さが通勤ラッシュを支えている。趣味的な視点でも、鉄道システムの面白さがある。


地上時代の東横線渋谷駅。赤い渡り線を追加することで交差支障を減らしている

東横線が接続した地下の渋谷駅。両方向の折り返しが可能となっている

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