運行本数は増えるのか? 改良後の銀座線渋谷駅に注目:杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)
鉄道路線の終端駅では交差支障が発生し、それが列車の増発を制限する。東急東横線は地下鉄乗り入れで交差支障を解消した。一方、東京メトロ銀座線渋谷駅の改良案は交差支障を新たに発生させるようだ。この考え方の違いはなぜだろうか。
銀座線の輸送力は維持できるか?
交差支障と列車の運行効率という視点では、銀座線渋谷駅の改良が興味深い。計画図を見ると、島式ホーム型の広いホームを採用しつつ、線路の一方を行き止まりにして、乗り換え通路を広げるからだ。山手線や井の頭線との乗り換え通路を確保しようという考えである。完成予定は2019年ころだという。
現在の銀座線渋谷駅は到着ホームと出発ホームが分離しており、乗り換え客が遠回りする形になっている。特に山手線から銀座線に乗り換える場合、山手線ホームから階段を上がり、改札を出て、隣の階段を降り、2階フロアを経由して、また階段を上がって銀座線改札に向かうというルートだった。新しい渋谷駅は、山手線の改札を出ると、そばに銀座線の改札があり、階段なしで島式ホームに出られる。
銀座線の線路を4階にかさ上げすれば、引き上げ線方式を維持しつつ、島式ホームから階段やエスカレーターで降りて乗り換えコンコースに行ける。さすがにそれは費用がかかりすぎるし、平面のほうが人にやさしい。ただし、片側の線路は行き止まりになるから、ホームで折り返しを実施する。そのために浅草方面に渡り線が必要だ。交差支障が発生する。
現在、銀座線渋谷駅は朝ラッシュ時間帯に2分間隔で発車している。これほど短い運行間隔は、渋谷駅が引き上げ線型となっていて、交差支障がないからだと思われる。反対側の浅草駅も同様だ。新しい銀座線渋谷駅は折り返し型となるため交差支障が起きる。こうなると、さて、銀座線の運行間隔は維持できるか、広がるか、どちらだろう?
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