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コラム

安倍首相の地元で見えた、アベノミクスの未来窪田順生の時事日想(4/4 ページ)

参院選の前哨戦といわれる山口補選で自民新人の江島潔氏が圧勝した。今や圧倒的な支持率を誇る首相の地元で、「安倍の子分」なんて呼ばれる人が出て負けるわけがない。ただ地元経済に目を向けると、アベノミクスの未来が見えてくるのだ。

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4年の沈黙を破って表舞台に

 2007年9月、安倍さんが健康上の理由で総理を辞めてしばらくして、先の後援会幹事長が亡くなった。死因は肝硬変だったが、地元では「首をくくった」なんて噂が流れ、下関市内でも今もそう信じている人が多い。

 「あの人は安倍の秘書と一緒になって、“近い将来に必ずもうかる”というあるビジネスの話をよくしていた。かなりカネを注ぎ込んで大損した取引先も多いそんなタイミングで死んだら、そりゃそっちのせいだと思うだろ」(地元建設会社)

 後援会幹事長が亡くなって会社も倒産した。100億円というベンチャーではあまり聞かない負債総額がゆえ、口の悪い人たちは「迂回献金だったのでは」なんて囁(ささや)き合った。

 なぜかというと、官房副長官時代の安倍さんが予算委員会で野党議員から「口利き疑惑」を追及されたことがあるのだが、そこで“依頼主”として実名があがったのが、この後援会幹事長だったのだ。

 そんな“安倍系企業”がバタバタ倒れた後、5期目の出馬を見送った江島さんが、4年ぶりに政治の世界へ。これが安倍さんの言う「長州から日本を取り戻す」ということらしい。

 どさくさに紛れて、取り戻さなくていいものまで取り戻してないか。

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