中国人とロシア人の「本音」がよく分かる、「逆さ地図」ってナニ?:窪田順生の時事日想(1/3 ページ)
日本海を中心に南北を逆さにした通称「逆さ地図」を見たことがあるだろうか。その地図を見ると、中国やロシアの「本音」が分かってくるのだ。
窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
先週、安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と北方領土交渉を加速化させるということで合意した。
日本の新聞や報道番組は、プーチンの口から「面積等分」の話題が出たとかで“前のめり”で報じているが、個人的には、交渉をダラダラ続ける間に、カネだけ引っ張られるのではないかと心配している。
プーチン、いやロシアが経済連携ぐらいで北方領土を返すわけがない。それは「地図」を見ても明らかだ。
といっても、それはみなさんが日頃よく見ている地図ではない。日本海を中心に南北を逆さにした通称「逆さ地図」(参照リンク)である。
この地図では中国大陸やロシアが下となり日本列島は上。つまり、中国やロシアの“真上”に日本があるのだ。こういう位置関係でロシア人の心に思いをはせると、彼らが「北方四島」をどんな目で見ているかよく分かる。
日本人みたいに毎日、太平洋を眺めて暮らしている民族からするとなかなか想像できないが、ロシア人にとって太平洋という大海原に出るというのはかなり骨が折れる。
特に太平洋艦隊の本拠地であるウラジオストクから、船を出そうとすると目の前にはまるで嫌がらせのように長い島が立ち塞がる。
いわずもがな、日本列島だ。
関連記事
- サラリーマンを喰い尽くす、“タガメ女”ってナニ?
“タガメ女”という言葉をご存じだろうか。一部の人たちの間で話題になっているが、聞いたことがない男性はその女性の正体を知っておいて損はない。なぜなら無抵抗な男性を……。 - なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか
普通の企業ならば謝罪会見モノの不祥事が発覚しても、しれっとした顔でやり過ごしている業界がある。言わずと知れた、マスコミだ。なぜ彼らは意地でも頭を下げないのか。そこには一般人にははかりしれぬ“美学”があったのだ。 - 借金大国日本で“踏み倒す人”が急増している理由
国民年金、給食費、授業料、治療費……今、公的な支払いを踏み倒す人が増えている。この背景には、いったいどんな「裏」があるのだろうか? - NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - 「滅亡」を煽らなくてはいけない人々の“オトナの事情”
マヤの予言がハズれてしまった。今のところ地軸はズレていないし、太陽フレアによる磁気嵐も起きていない。テレビなどで「人類が滅亡する」という人がいるが、なぜ彼らはそんなことを口にするのか。その背景には、“大人の事情”があるからだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.