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コラム

“プロ”はなにをしていたのか? 猪瀬都知事、失言の背景相場英雄の時事日想(4/4 ページ)

猪瀬直都知事の“失言”が、世界的な話題を集めた。五輪招致のライバル都市を暗に批判したと受け止められる発言を行い、これが海外紙に載ったことが発端だ。知事の失言の背後には、広報活動を引き受けている“プロ”のずさんさが潜んでいたのではないか。

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 猪瀬知事に取材したのが、都庁記者クラブに所属するメディアであれば、「独自ネタ」をちらつかせることでバーター取引が成功したかもしれない。

 だが、相手はニューヨーク・タイムズ紙だ。そんな取引に応じる相手でないことは明白。まして、シャンドウィック社は、同紙の鼻っ柱の強さを一番良く知るプロではなかったのか。

 だからこそ、事前レクでしっかりと知事にクギを刺しておく必要があったわけだ。騒動の最中、私はかつて取材した数人の広報マンたちに連絡を取った。知事の発言自体ではなく、みな一様にプロの広報代理店の失点を話題にしていた。

 最後に、東京都民としてひと言。五輪招致には多額の血税が注ぎ込まれている。微々たる額だが、私も税金をおさめている。公のお金が、ずさんなプロの仕事で無駄になるような事態は、なんとか回避していただきたいと思う。

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