売上を伸ばしているのにはワケがある――エキナカ自販機の裏側:仕事をしたら“知見”が蓄積された(前編)(3/6 ページ)
エキナカ自販機の売り上げが、右肩上がりで伸びている。自販機はなにげなく置かれているように感じるが、実はその裏側でさまざまな工夫がされているのだ。ヒットの秘密について、JR東日本ウォータービジネスの担当者に話を聞いた。
エキナカ自販機を利用している人
笹川:次に、どんな人がエキナカ自販機で飲料を購入しているのか――下のデータを見ていただけますか。私たちは、特に女性の割合に注目しました。2011年のデータをみると、女性の割合は27.72%でしたが、2012年には28.21%に増えました。中でも特に増えているのが、40代の女性なんですね。エキナカ自販機のボリューム層は30代の男女なのですが、ここ数年男女ともに40代以上が増えているんですよ。
こうした分析結果から、今後売り上げを伸ばしていくためにはどうすればいいのか。「通勤以外の時間帯」「女性」「40代以上」――この3つに力を入れていかなければいけない、ということが見えてきました。
土肥:いま、3つのキーワードが出てきましたが、そうしたお客をどのようにして狙っていくのでしょうか?
笹川:容器・容量別に、どんな商品が売れているのかを分析してみました。例えば350ミリリットル以下のペットボトル(ミニボトル)をみると、ピークが午後にきているので「通勤以外の時間帯」に強い商品といえるでしょう。またミニボトルは女性や40代以上の人がよく購入している。たぶん、持ち歩きや飲みきるのに適量なサイズなのでしょう。昨年はミニボトルを積極的に投入した結果、売上アップにつながりました。
さらに商品カテゴリーをみると、40代以上の女性は紅茶系をよく飲まれている。カフェに行く時間はないけれど、カフェ代わりにエキナカ自販機を使って気軽に飲む……そんな飲用シーンがデータからうかがえました。
こうした結果を踏まえて、今年の春・夏は「ミニボトル」「女性が好むカテゴリー」などを投入していく予定です。また、昨年の春・夏には一度購入していただいたお客さまを逃さないように、ちょっとした工夫を凝らしました。
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