ホット飲料は○○度で売れる! 自販機と気温の相関関係:仕事をしたら“知見”が蓄積された(後編)(2/5 ページ)
「○○度になったらアイスクリームがよく売れる」といった話を聞くことがあるが、自販機にもそのようなデータがあるのだろうか。エキナカ自販機を展開している、JR東日本ウォータービジネスの担当者に話を聞いた。
笹川:スーパーやコンビニなどでは、ホットとコールドの切り替えはそれほど難しくないのかもしれません。ただ、自販機はホット飲料を投入するのに、1台につき30分から1時間ほどかかってしまう。しかも1人で何台も担当しているので、「今日は暑いなあ」と感じても、すぐに切り替えることが難しい。もちろん「今日は寒いなあ」と感じても、すぐにホット飲料を増やすことはできません。
先ほども申し上げましたが、以前は「ホット飲料は10月1日から」といった感じで決めていましたが、お客さまのニーズをうまくつかんでいないのではないか、という反省がありました。なので、いまでは気温を設定して、そのタイミングに合わせて、少しずつ替えています。
土肥:笹川さんの話を聞いていて、「コンビニでおでんが最も売れる時期」の話を思い出しました。
笹川:おでん?
土肥:「おでん」といえば冬の風物詩のひとつですが、実は最も売れているのは1〜2月ではないんですよ。コンビニの関係者に聞いたところ、販売のピークは10〜11月にかけて。この時期って、急に寒くなったりしますよね。そういう日に「ちょっと寒いから、おでんでも食べようか」となるわけです。
実際、コンビニ各社では8月のお盆明けや9月になってから販売していますよね。そのころってまだまだ残暑が厳しいので「このクソ暑いのに、なんでコンビニでは『おでん』を売ってるんだ!?」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ夏の終わりにおでんを販売するのは、ワケがあるんですよ。
コンビニのおでんと同じように、自販機でも「急に寒くなったなあ」と感じるときが、ホット飲料に切り替えるタイミングなのでしょうね。
笹川:ですね。コンビニでは気温の変化によって、「どういった商品が売れているのか」といったことを詳しく分析されていますよね。
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