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中国「アヒルちゃん」パクリ騒動と「キユーピー」の共通点とは?:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
中国で「アヒルちゃん」のパクリ騒動が起きている。オランダ人が制作した巨大な子アヒルのアートが中国の各都市で宣伝に利用されたり、商品化されたり。また中国か……と思われるかもしれないが、実は日本でも似たような仕打ちをしているのだ。それは……。
昔も今もあまり変わっていない
それどころか事態はさらにエスカレートする。「へいたいきゅーぴー」なんて感じで、愛国教育にも利用されていくのだ。例えば、満州鉄道の開通記念で刷られたポストカードには、ミッキーマウスとキューピーが日本の旗を振るという“夢の競演”が実現している。
最初はパクっていたのに、いつの間にやら自分のものにしてしまう――。このあたりが日本が中国よりもバツグンに優れている点だが、クリエーターの気持ちになるといたたまれない。
欧米では今も「キューピー」と言えば、ローズオニールさんであり、彼女が遺した財団もある。そこから日本でのパテントを譲り受けた日本人が数年前、「キューピー」をロゴにして、バンバンCMをうっているマヨネーズ屋さんに、100年近く商売やらせてもらってきたんだから、そろそろ“生みの親”にも敬意を払ってはどうだろうと言ったら、おかしなイチャモンをつけるなと逆ギレされたので法廷闘争へと発展した。
誰が見たってキューピー人形をパクったロゴだが、あちらの弁護士は、「赤ん坊の絵を書いたら、だいたいこんな感じになる。偶然だろ」みたいな感じですっとぼけた。偽ドラえもんで商売している中国人とまったく同じ言い訳だが、結局法廷でもローズオニールさん側の訴えは退けられた。
件の企業の社訓は「親孝行をすること」とある。ちょっとブラックジョークが過ぎないか。
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