注力すべきはペイドメディア? それともオウンドメディア?:デジタル時代のマーケッターに問う(後編)(2/6 ページ)
「そもそもデジタルマーケティングとは何なのか」というテーマで始まったパネルディスカッション。失敗事例から業界に求められるデジタルマーケッターのあり方を考える。
追加投入したマーケッターの仕事が突然なくなった
小沢: リアリティのある言葉ですね。実体験なのでしょうか?
高畑: はい、実体験です。リスティング広告でガンガン取れていた成長期に「これはマーケッターが必要だ」と人を追加したら、意外に早く成熟期に入りまして、みんな仕事がなくなった。ちなみに仕事がなくなった人というのが私なんです(笑)
リスティング広告というのはお金を払えば払うほど取れるメディアではありません。必ず一定の曲線で水平になっていく。だけど経営者は「事業は伸びている、行け行け」となってしまいます。
小沢: デジタルマーケティングは計測できるがゆえに怖さを感じますよね。自分にも経験がありますが、自分がやっていることのコンバージョン率やCPA(顧客獲得単価)といった数字は、自分自身が一番知っているんです。だから「おや、自分のマーケティング活動は、自分の給料をペイできてないぞ」って。
高畑: そうなんです。自分が一番リアルに分かってしまうわけですから、そういうことを隠す担当者が多いのです。そのとき、ペイドメディアだけじゃない次のメディア、あるいはその方法論って何だろうと自分で探していく必要がある。しかも経営者が与えてくれるものではなくて、自分で切り拓いていかなくてはならない。私の場合、それが「オフライン」でした。
甲斐: まさに高畑さんのお話のとおりですね。当社が1年半くらいまえにリリースしたPCサイトをスマホサイトに変換できるソフトの話をしましょう。出したころはちょうど導入期、その後、この分野が徐々に確立されてきて、いまは成長期に入ったかなという時期です。
当初はデジタルマーケティングをしていましたが、それだけでは伝わらなくなってきました。そこで、もっと効果的なものはないのかなと考えた結果、これからはオフラインのイベントをもっとやっていこうという話になりました。
時期という段階的なものと、オンラインとオフラインを柔軟に使い分けられるかという時代に入ってきたのを日々感じています。知っているのと知らないのとでは、大きな差が出るのです。
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