注力すべきはペイドメディア? それともオウンドメディア?:デジタル時代のマーケッターに問う(後編)(5/6 ページ)
「そもそもデジタルマーケティングとは何なのか」というテーマで始まったパネルディスカッション。失敗事例から業界に求められるデジタルマーケッターのあり方を考える。
なぜ価格訴求以外の「価値提供」が求められるのか?
小沢: 長期的な効果と短期的な効果の組み合わせが重要というお話がありました。だからといって、ペイドメディアをやらなくてもいいということではないですよね。
甲斐: いま、業界全体でデジタルマーケティングと呼ばれている仕事を整理すると、それは「アクイジションファースト」(Acquisition:獲得)という考え方になります。具体的には「新規訪問者の獲得」「初回購入にフォーカス」「価格・商品がセールスポイント」などです。
統計的にみると、いま9600万人くらいのインターネットユーザーがいます。つまりこの20年弱で一気に1億人近い「新規」が増えたということです。新興国よりも大きな人口爆発ですよ。それともうひとつ、ペイドメディアというもののパフォーマンスが非常に高く、成果を上げてきたということ。このふたつが重なって、デジタルマーケッターはアクイジションファーストな業務をしているのでしょう。
でも、そろそろ「この活動を続けていて、成果が伸び続けるのかな」と疑問を持っている人が多くなってきました。そこで出てきたものが「価値提供」。価格以外の商品の価値をユーザーに理解してもらうための機会を提供する「リレーションシップファースト」という考え方です。具体的には、「常連訪問者の獲得」「リピート購入にフォーカス」「顧客体験もセールスポイント」。まさにお店にいる親切な女性の店員がしてくれそうなことをWebの領域でも提供しましょうということです。
小沢: アクイジションファーストならば成果は非常に見えやすい。でも、リレーションシップファーストでは時間がかかると思います。経営者はグッと我慢できるものですか?
甲斐: 当社ではマーケティング用ASPの提供を行っていますが、その経験の中で「これが大事なんだな」とヒントになったものがあります。つまり毎月契約を継続するタイプのサービスは売上が伸び続けるということです。中には終了されるお客さんもいますが、基本的には既存顧客がやめないので新規を獲得すればするほど売上は伸び続けます。単純ですが、いかにリピート需要が大事かということを数字からも実感できます。
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