コラム
MKタクシーのおもてなしマーケティングでライフスタイルが向上(1/2 ページ)
タクシー激戦区京都で業績好調のMKタクシーはアドボカシーマーケティングのベストプラクティス企業である。
著者プロフィール:渡部弘毅(わたなべ・ひろき)
経営コンサルティングのISラボ代表。日本ユニバック(現日本ユニシス)、日本アイ・ビー・エムなどを経て2012年5月、ISラボ設立。経営戦略、経営企画およびCRM領域にてコンサルティング活動中。ワクコンサルティングのパートナーコンサルタントとしても活動する。
京都に単身赴任していたころ、仕事の疲れを癒しに近所の銭湯に行くことが楽しみだった。しかしある日、よく通っていた近所の銭湯が閉鎖となり、別のお目当ての銭湯は見つけたものの、頑張れば歩けるが少し遠いので楽しみのひとつがなくなりそうになっていた。
そんなときに助けてくれたのがMKタクシーだ。タクシー激戦地区の京都で、かつ差別化が困難な市場で後発ながら業績好調なタクシー会社だ。アドボカシーマーケティングを実践して他社との差別化をしている企業といえばMKタクシーがあてはまるであろう。
アドボカシーマーケティングとは、目先の利益にとらわれることなく、徹底的に消費者側に立ち、顧客との信頼関係を中心にしたマーケティング手法だ。長期的視野にたった考えで、いわゆる「損して得とれ」「先義後利」の考えを実践することである。
どんな近場でも嫌な顔することなく丁寧に対応する応対品質、一度電話登録すると2回目からはコールセンターに電話して「自宅前に来てちょうだい」で通じる、いわば顧客のおかかえ運転手のような数々の対応を、会社全体の仕組みと運転手の応対品質で実現しているのだ。
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