なぜ「グローバル」と聞いて、不安を感じるのか:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(2)(1/6 ページ)
「グローバル」という言葉をメディアで目にしない日はない。変化のスピードが速い時代に、私たちはどのように対応すればいいのだろうか。海外で活躍してきた、田村耕太郎氏に話を聞いた。
「グローバル」という言葉をメディアで目にしない日はない。これまでにないスピードで進む世界の変化に、多くの企業が対応を迫られている。「成長を続けるには海外に出るしかない」といった声が強くなっているが、苦戦を強いられることも少なくない。
企業は「求む、グローバル人材」を口癖のように唱え、それに応えるような形で、ビジネスパーソンは英語力アップに力を入れる。下のグラフを見てほしい。これはTOEICの受験者数の推移だが、2011年から急増している。グローバル企業を標榜し、英語の公用語に踏み切った企業が出てきたのがこのころだ。
そもそもグローバル人材とは、どんな人材を指すのか。総務省のグローバル人材育成委員会では、このように定義している。(1)主体的に物事を考え、多様なバックグランドをもつ同僚、取引先、顧客などに自分の考えを分かりやすく伝える(2)文化的・歴史的なバックグランドに由来する価値観を乗り越え、相手の立場に立って理解する(3)相手の強みを引き出して、新しい価値を生み出すことができる――。
分かったような、分からないような。そんな人って、本当にいるの?――このような受け止め方をした人も多いのではないだろうか。とにかく会社からはTOEICの点数を上げろと言われているので、とりあえず英語を勉強する。外国人と英語で仕事ができれば、グローバル人材になれるだろう……といった“なんちゃってグローバル君”にならないためには、どうすればいいのか。
本連載「仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた」では、言葉の定義ではなく、海外で活躍してきた先人たちの声に耳を傾けたい。厳しい環境の下で、結果を出してきた人から学ぶべきことはたくさんあるはずだ。トップバッターは、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出しているシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた田村耕太郎さんに話を聞いた。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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