あなたの会社のWebサイト&SNSは、成果を出せていますか?:Webアナリストに聞く(4/4 ページ)
ブランド認知などの目的でWebサイトやSNSを運営する企業は多い。しかし、充てている人員やコストに見合う効果が出せているかと問われると自信がない企業が多いのではないか。そんなとき良い目安になるのがWeb分析だ。ツールは導入しているが活用できていないという企業に向けたアドバイスを、小川卓さんに聞いた。
SNSにはどこまで力をかけていい?
――専任の人を置いて、TwitterやFacebookなど、SNSに力を入れている企業が増えています。SNSも効果測定できるものでしょうか?
小川 SNSの効果を測定する一番簡単な方法は、やめることです。
――えっ。
小川 それじゃバッサリすぎですか(笑)。やめても変わらない、目に見える効果がないのだとしたら、それは効いていなかったってことです。ソーシャルをやる目的を改めて考えてください。
会社が大きくなればなるほど、SNSの効果は基本的には効きにくくなります。リスティングとか、いろいろな流入元がありますから、そもそもSNSからの流入は少なくなるケースが多いですね。SNSから売り上げにつながる割合を見たら、大きな会社なら1ケタパーセントではないでしょうか。ある程度大きな会社で、SNSから売り上げにつなげようと思っているんだったら、極端な話、やらなくていいくらいです。
「どうして毎日Twitterをやってるんだっけ?」「どうしてFacebookを更新してるんだっけ?」という目的を考えましょう。売り上げなのか? アフターサポートなどのお客さま対応なのか? 告知のためなのか? 親しみを持ってもらう、ブランド認知が目的なのか?
私の前職はリクルートだったんですが、SUUMOのキャラクターのTwitterアカウントを運営していました。これはただ、関係ないことをつぶやくだけなんですね。家は毎日買う物じゃない。一生に1回とかです。いざその家を買うというときに、SUUMOの名前を思い出してもらう、そしてサービスを使ってもらうために、「いつか」のためにやっているんです。ブランドを認知してもらう、親しみを持ってもらうことが目的です。テレビCMも目的はほぼ同じですね。フォロワー数が増えたかとか、ブランドワードの検索数が上がってきたかとか、そういうところで効果を見ますが、いずれにせよ効果は非常に間接的です。
こういう例ではなくて、SNSから流入数を増やして、売り上げを上げる……ということを目的にしているのであれば、さっきお話したように、まずは流入数を見ましょう。ボリュームを見て、どれくらい力をかけるべきか判断すればいいことです。流入を見て、仮に5割がSNS経由だとしたら、それは一生懸命時間をかけてやる価値があります。2割以下だとしたら、片手間で大丈夫です。力をかけすぎないほうがいいでしょう。
――SNSの場合、具体的にどんなツールを使ってどこを見るのですか?
小川 単純にSNSからの流入を見るのであればGoogle Analyticsで測れます。あとはTwitterでどれくらい関連ワードがつぶやかれたかとか、どれくらい発言がリツイートされたかですね。ツイートの波及具合を見るツールなどもあります。例えばSUUMOでやっていたのは、アカウントをフォローしてくれている人たちのプロフィールをすべて引っ張ってきて、その中に含まれるワードを分析するというものでした。SNSの分析ツールについては、以前15種類集めて比較レビューをしたことがあります、参考にしてください(参照リンク)。
小川 卓
2012年10月サイバーエージェント入社。テレビCM、及びピグ関連ゲームの分析などを担当。前職(リクルート)では全社のアクセス解析ツールの導入、及び住宅方法サイト「SUUMO」のアナリスト兼エバンジェリスト。
アクセス解析に関するブログ「リアルアクセス解析」を2008年より運営。著書に『入門 ウェブ分析論~アクセス解析を成果につなげるための新・基礎知識~ 』、『ウェブ分析レポーティング講座』、『クチコミページと社長ブログ、売上に貢献しているのはどちら? ~マンガでわかるウェブ分析』など。年間40回ほど講演を行っている。
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