コラム
高齢者は本当に「暮らしていけない」のか?――データで見る高齢者のフトコロ事情(2/3 ページ)
先日、高齢社会フォーラムに参加し、内閣府の平成25年度高齢社会白書の説明を受けました。その中から、今回は高齢者の実態に迫りつつ、高齢者世帯の経済状態を紹介します。
高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合
高齢者世帯の収入に占める公的年金・恩給の占める割合が100%の世帯が、56.7%で半数を超えています。また80〜100%未満の世帯は14.1%で、両者を合わせると70%を超えます。
世帯主の年齢階級別1世帯当たりの貯蓄・負債、年間収入持ち家率
下図は、年齢階級別の経済状況を総務省統計局の家計調査平成23年です。年間の収入は50〜59歳がピークで、793万円です。60歳から収入は減少するものの、70歳以上では58.7%を維持しています。
負債額が最も大きいのは40代。次いで30代ですが、60、70代では激減しています。これは、60代になると退職金により住宅ローンを完済する例が多いことから起きています。なお、30代は負債額が貯蓄額を超える債務超過状態です。
一方、持ち家率と貯蓄額が高いのが60代です。60代は90.9%が持ち家であることから、持ち家神話を信じる日本人が非常に多いことが分かります。筆者はFPとして、「人生を通じてメリットが大きいのはむしろ賃貸」だと、経済原則・ライフステージの両面から説明しています。みなさん、頭では理解されるのですが、感情の面で「やはり持ち家が欲しい」と言います。。
60代以降の高齢者の生活においてこの表から分かるのは、家もあり貯蓄もあり、収入もある、強者の姿です。
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