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一大イベントの陰で何が見えたのか――南相馬市と浪江町の今相場英雄の時事日想(2/4 ページ)

筆者の相場氏は7月下旬、福島県南相馬市を訪れた。政府首脳は「福島の再生なくして日本の再生なし」と声高に訴えているが、旧警戒区域の復興は全く手つかずの状態だった……。

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 改めて指摘するまでもないが、旧相馬藩の領地だった相馬市、南相馬市や浪江町、双葉町は東京電力福島第一原発の事故により、甚大な被害を受けた。

 いまだに不自由な避難生活を強いられている南相馬市小高区、浪江町などからも武者として野馬追に参加する人たちが少なくない。こうした武者が甲冑競馬や神旗を獲得すると、祭地場全体から地鳴りのような拍手と歓声がわいた。

 昨年、私は初めて野馬追を観戦した(関連記事)。祭地場を見渡すと、祭に参加した武者たちだけでなく、観客の大半が古式ゆかしい祭事に酔いしれていた。直感的に浜通りの一大イベントが着実に復活している、との感触を得た。


相馬野馬追・大観衆に喝采される武者

 来年も野馬追は7月末に開催される。市内各地を練り歩く武者行列や、先の甲冑競馬や神旗争奪戦は、勇壮そのもので、一見の価値がある。ぜひ実際に観戦してほしい。

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