「共感」は緊張を和らげ、「質問」は達成を後押しする:絶対に達成する技術(2/3 ページ)
共感とは、相手の緊張を和らげ、こちらの質問を受け入れてもらえる状況をつくるもの。質問とは、相手の中にある答えを引き出すために行うものです。
「質問」は行動を引き出す“気付き”を与えてくれる魔法の言葉
目標達成のためのフィードバックの心得として、一番大切なことを1つ挙げるとしたら、それは「答えは相手の中にある」ということです。
目標達成のためには、自分で考えて自分で行動するしかありません。答えは本人しか知らないのです。
しかし、だからといって「本人の自己責任で本人まかせ」ではチームの価値がありません。チームの価値は「チームメンバーの目標達成は、自分の責任でもある」と考えることです。メンバーがお互いに、目標達成までの最適な行動を「発見する手伝い」をしているということなのです。
その「発見する手伝い」をするのが「質問」です。質問をすることで、相手に考えさせるように導くのです。
質問の技術
- 目的:目標達成に向けて、行動を引き出す気付きを与える
(1)行動に着目して、継続することで目標に近づけるか問いかける
(2)思考に着目して、客観的に自分を見つめ直すように問いかける
まず、(1)の「行動に着目して、継続することで目標に近づけるか問いかける」の例です。
「どう、うまくいっている? このままで順調にいけば目標達成するかな?」
「もし課題があるとしたら、何を直せばいいんだろうね?」
「次に何を続けたら、目標に近づけると思うの?」
次に、(2)の「思考に着目して、客観的に自分を見つめ直すように問いかける」の例です。
「なんでそう感じるの? お客さんはどう思っているんだろうね?」
「最近、考え方が変わったんですね。そのきっかけは何ですか?」
「だいぶ悩んでいるようですが、目標に対してはどう感じているんですか?」
このような質問によって、相手の頭がグルグルと回転してきます。人には誰でも、偏ったものの見方や、固定概念があります。それを取り払うのが「質問」なのです。
相手の質問を受け止めて真剣に考えると、それまでにはなかった新たな「視点」が見えてきます。悩んでいる自分を冷静に見つめ、「あっ! この行動をやってみよう」と自分で新たな行動に気づくのです。
周りからしてみたら「やっと気づいたか。そんなこと当たり前じゃないか」と思うかもしれません。しかし、本人の力で気づいたことによってのみ、行動は継続できるのです。
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