蒸気機関車はどうやって動くの? 夏休みの自由研究は「鉄道」で:杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)
夏休みの宿題といえば自由研究。たっぷりある時間を利用して、興味の対象を深く知る良いチャンスだ。もし、まだテーマが決まっていないなら、身近な鉄道をテーマにしていかがだろうか。
鉄道と理科:蒸気機関車が動く仕組み
電車はモーターの回転が車輪に伝わって動く。その仕組みは想像しやすい。では、蒸気機関車はどうだろう。蒸気機関の原理は鍋のフタが上下に動くことから発明された。では、その上下の動きは、どうすれば回転に変わるのだろうか。この問題は大人でも想像しにくいと思う。
実は、その答えはネットにある。梅小路蒸気機関車館のサイトを開くとアニメーションで教えてくれる(参照リンク)。でも、眺めるだけだとピンと来ない。そこで、アニメーションを参考にして、工作用紙と割りピンで蒸気機関車の動きを再現してみたら分かりやすいかもしれない。ぜひ、お父さんやお母さんも手伝ってあげてほしい。
鉄道と社会:鉄道路線ができた理由
電車の動きは日常生活に溶け込んでいる。でも、そもそもこの鉄道路線はどんな理由で作られたのだろうか。デパートへお買い物に行くため? お父さんが会社に行くため? 実は、他にも意外な理由があるかもしれない。さっそく図書館で郷土史を調べてみよう。私は子どものころ、自宅近くを走っていた東急池上線が、池上本門寺の参拝のために作られたと知ってびっくりした。そんな参詣鉄道は全国各地にある。
他にも、川船の荷運びを鉄道に置き換えてスピードアップさせるためだったり、農産物を運ぶためだったり、建設に使う砂利を運ぶためだったり。鉄道路線のルーツはさまざまだ。鉄道を知ることは、郷土を親しむ第一歩とも言える。トンネルが作られた理由、鉄橋が作られた理由などを調べると、そんな大工事をしても鉄道を作りたかったという先人の意志が伝わってくる。鉄道の歴史は、地理と歴史の知識に富んでいる。
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