対馬に韓国資本をもちこむ「エージェント」ってナニ?:窪田順生の時事日想(2/3 ページ)
長崎県の対馬がキナ臭いことになっている。広大な森林が競売入札となり、韓国など外国の業者が買うんじゃないかとちょっとした騒ぎに。結局は対馬市が購入することになったが、問題はこれで“解決”したのだろうか。
韓国人と手を取り合わなくてはいけない
確かに、対馬の北部に韓国人観光客御用達のペンションがある。韓国で人気のある三角屋根のロッジで、オンドル(韓国式床暖房)を備えたこの施設の建設中、作業員たちに「これって韓国資本なんでしょ?」と質問をしたら、こんな答えが返ってきた。
「いや、施工主は日本人だよ」
調べてみると、この施工主は今の韓国人の「対馬ブーム」の仕掛人のひとりで、対馬と釜山を結ぶフェリーを運営し、「大亜ホテル」というリゾートホテルも有する韓国企業・大亜高速海運の代理店を務めていらっしゃる。こういう“エージェント”の方たちが、韓国企業の対馬進出を助けているというわけだ。
なんてことを言うと、愛国心のある方たちは「反日だ」とかなんとかお怒りになるかもしれないが、そこで生きていく人々からすると、韓国人と手を取り合わなくてはいけない現実がある。
ご存じのように、対馬の繁華街には「韓国人お断り」のお店が多い。チャージやお通しという概念がないのかボッたくられたと感じるようで、最初はニコニコしているのだが、お会計の段階になると、必ずハングル語でまくしたて、警察を呼べニダ、みたいなトラブルになるからだ。
メディアでもよくこういう話を取り上げるので、対馬市民のなかには嫌韓が盛り上がっているみたいな印象を受けるが、実際は「親韓」の店も少なくない。島の経済が冷えきっているなか、韓国資本の店や民宿でしか主にカネを落とさないとはいえ、わらをもすがる思いで、年間15万人近くが訪れる観光客に期待を寄せているのだ。
対馬の繁華街、「厳原川端通り」のある居酒屋もそうだった。中をのぞくと、「韓国人大歓迎」という張り紙があり、韓国人のおばさんたちと一緒に店主たちが楽しそうにハングルの歌を歌っていた。対馬で生まれ育ったという店員たちは、こんなことを言っていた。
「我々の祖父世代は福岡に行くよりも近いので釜山の病院にいっていた。私も子供の時から友だちを“チング”、耕すことを“パル”と当たり前のようにハングルをつかっていた。韓国と対馬は昔から交流があったのだから、受け入れる努力をしなくてはいけない」
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