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ローカル線の救世主になるのか――道路と線路を走るDMVの課題と未来杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

山形県のローカル線を活性化するため、DMV(デュアル・モード・ビークル)を導入する動きが始まった。しかし、開発元のJR北海道もいまだ実用化せず、今まで取り組んできた路線や自治体にも、その後の動きはない。そこで国土交通省が主導して取りまとめることになった。

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 この検討会は学識経験者、JR北海道、導入を検討した自治体や鉄道会社の関係者が参加し、2013年度末までに取りまとめ、導入への道筋をつくる予定である。各地の実証実験で得られたデータを交換し、問題点と解決策などを話し合うほか、導入主体や事業の枠組み、事業継続性などが運用面も議題となっている。技術開発面では新型車両による耐久試験の段階と報告されている。

 国土交通省が乗り出したことで、バラバラだった各地の実証実験データが結びついた。当初は赤字ローカル線が「わらをもすがる思い」で手を出したDMVも、国土交通省が参画したからには「日本全体の取り組みのひとつ」だ。山形県の実証実験が実現すれなら「DMVの導入・普及に向けた検討会」の取りまとめの後になる。これはDMVの真価を見極める重要な舞台になるだろう。最上川に沿う景色も良さそうで、観光集客の面からも有望だ。数日ではなく、車両や施設の耐久性や保守運用面も含めた長期の実証実験を期待したい。


「DMVの導入・普及に向けた検討会」で提示された今後の予定(出典:国土交通省)。次の実験はJR北海道の実用化から1年以上が必要、さらにDMV専用線区とするなど、長井線、左沢線にとっては全面改良を強いる厳しい条件になっている
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