「じぇじぇじぇ」「倍返しだ!」――ドラマの決めゼリフがなぜ流行語に? :博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(1/4 ページ)
「じぇじぇじぇ」(あまちゃん)や「倍返しだ!」(半沢直樹)など、今年の流行語は久しぶりにドラマの決めゼリフから生まれています。これまでの流行語は一発ギャグが多かったのですが、なぜ今年はドラマから生まれたのでしょうか。
博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人:
30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。
「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。
著者プロフィール:吉川昌孝
博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプラナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2008年より京都精華大学デザイン学部非常勤講師。
「じぇじぇじぇ」(あまちゃん)に「倍返しだ!」(半沢直樹)と、久しぶりにドラマの決めゼリフから流行語が生まれている今年。昨年の流行語大賞は一発ギャグの「ワイルドだろぉ」でしたが、SNSの影響もあり、その生まれ方に変化が起きているようです。
高視聴率ドラマだからといって、流行語が生まれるとは限らない
これまでの流行語大賞を振り返ると、ドラマの決めゼリフが大賞を獲得したのは、遠く昔の1994年「同情するならカネをくれ!」(家なき子)までさかのぼらないとありません。実にそれから20年余、高視聴率を獲得するドラマは数々あれど(最近だと「家政婦のミタ」の40%超えや、「華麗なる一族」の30%超えなど)、タイトルが流行語大賞になることはあっても(2010年「ゲゲゲの〜」、2008年「アラフォー」)、ドラマの中のセリフが大賞に輝くことは一度としてなかったのです。
今回流行している「じぇじぇじぇ」の「あまちゃん」が、朝ドラとしては「梅ちゃん先生」以来の久しぶりの平均視聴率20%超えだったり、「倍返しだ!」の「半沢直樹」がドラマとして今年初めて視聴率30%を超えるなど、高視聴率も流行の背景にあるとは考えられますが、どうもそれだけではなさそうです。
関連記事
- NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - 年収1000万円超のビジネスパーソン、『半沢直樹』をどうみてる?
TBSドラマ『半沢直樹』が大ヒットしているが、高年収のビジネスパーソンの間ではどのくらい見られているのだろうか。平均年収1110万円、平均年齢45歳のビジネスパーソンに聞いた。ビズリーチ調べ。 - あなたの「ときめき度」は何点? 日本人の恋愛エネルギーが見えてきた
博報堂生活総合研究所は、昨年秋より「ときめき度」を測定しています。ちなみに2013年春のときめき度は46.0点。いつもは数字中心に発表している「ときめき度」ですが、今回はひとりひとりの回答に踏み込みました。テーマは、日本人の恋愛エネルギー。 - “お母さん大好き!”日本人が増加中――お父さんは人気がない?
5月は第2週に母の日、6月にも第3週に父の日がありますが、日本人は親に対して、どのような考えをもっているのでしょうか。時系列調査「生活定点」を基に、これからの父親像と母親像をご紹介します。 - 日本人の住まいの考え方――どう変化している?
3月といえば、引っ越しのシーズン。日本人は住生活についてどのように考えているのだろうか。博報堂生活総合研究所が行っている調査の結果から、住まいの考え方を見ていこう。 - あなたはどっちを選びますか? 究極の2択
「あなたはAにしますか。Bにしますか」――こんな選択に迫られることがありますよね。ここで気になるのが、他人はどっちを選ぶかということ。博報堂生活総合研究所が行っている調査の結果から、日本人の志向の変化を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.