宋文州氏が語る、日本人が「多様性」を受け入れられないワケ:仕事をしたら“やっぱりヘンな日本人”がいた(前編)(4/5 ページ)
日本に多様性は必要だと思いますか? こう聞かれると、ほとんどの日本人は「必要だ」と答えるはずだ。にも関わらず、なぜ日本では多様性を受け入れる考え方が広がらないのか。その疑問を、ソフトブレーン創業者の宋文州氏にぶつけてみた。
家の隣に外国人がやって来た
土肥:それにしても、なぜ日本では「多様性」を受け入れる考えが広まらないのでしょうか。もし「日本社会に多様性は必要だと思いますか?」という質問をしたら、ほとんどの人は「必要」と答えると思うんですよ。でも、現実はなかなか浸透しない。どこに原因があると思われますか?
宋:多様性を受け入れるというのは理屈じゃないんですよ。人間の感覚なんですよね。
土肥:どういうことでしょうか?
宋:例えば、人間って「嫌だなあ」と思うと、なかなかそれを受け入れられないですよね。いま、日本政府は経済をよくするために、いろいろなことをしています。そのひとつに、海外企業を積極的に誘致しようとしています。「どうぞ、日本に来てください。税率もなんとか安くしますから、日本でどんどん稼いでください」と。
日本の国民はそこまでは理解できるんですよ。でも、問題はここから。海外の企業がたくさんやって来るということは、外国人もたくさんやって来るということ。つまり、自分が住んでいる街に、外国人がたくさん住み始めるかもしれない。そうなると、「反対」する人が出てくるんですよ。
土肥:グローバル化には「賛成」、でも家の隣に外国人がやって来ることには「反対」――。「人類は平和でいてほしいよねえ」とか言いながら、「最近東南アジアの人たちが増えてない? 嫌よねえ……」といった構図ですね。
宋:先ほども申し上げましたが、多様性というのは理屈では語れません。キレイごとではないんです。学校では「多様性はいいことだ」と教育しているようですが、その学校の先生が多様性を受け入れていない。
土肥:「みなさんは多様性のある人間に育ってください」と教育しておきながら、「靴下の色は白のみ。これは校則で決まっていることだから」と言われたら、ちょっとなにそれ……ってなりますよね。
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