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宋文州氏は何度も言う。日本人のココがヘンだ仕事をしたら“やっぱりヘンな日本人”がいた(後編)(4/5 ページ)

ソフトブレーン創業者の宋文州さんは、これまで「日本のおかしいところ」をバッサリ切ってきた。今年で来日28年目を迎えるが、「日本人って変わらないなあ。昔のままだ」という点があるという。それは……。

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「長い物には巻かれろ」という考え方

土肥:宋さんは来日されてから、今年で28年目。これまで「日本のココがヘン」といった切り口でバッサバッサと切ってこられましたが、最近「ココがヘン」と思われることってありますか?

宋:「日本人って変わらないなあ。昔のままだ」と思うことがありますね。その背景には「長い物には巻かれろ」という意識が強くあるのではないでしょうか。

土肥:自分より力のある人には逆らわず、言われるままにするほうがよい、という意味ですね。

宋:2020年の夏季オリンピックは東京で開かれることになりましたが、その前のオリンピック開催の支持率を見てくださいよ。石原都知事の時代は低迷していたのに、猪瀬都知事になって上昇しています。でも考えてみれば、オリンピック誘致にあたって、石原さんの時代から何か変わりましたか? 何も変わっていないですよね。何も変わっていないのに、なぜ支持率が上昇したのか。それはマスコミの力によって、世論を誘導しているだけのこと。なぜ日本人の意見がこんなにコロコロ変わるのかといえば、多くの人が「自分の意見」を持っていないから。

土肥:中国ではどうなのでしょうか? 政府とマスコミの癒着がひどいイメージがあるのですが。

宋:日本人に比べて、中国人というのはバラバラ。マスコミが何かを言っても「あ、それは政府の宣伝だ!」と受け止めるんですよ。

 一方の日本人は、マスコミが言うことは正しいと思っている。ときには宣伝があるのに、それって本当に? と疑うことをしない。なぜ疑わないかというと、大きな問題としては「島国根性」があるから。小さな問題としては「空気を読む」のが上手だから。そのため、なんとなくみんなが考えている方向に流れていってしまうんですよ。「自分はこう思う」という意見を大切にせず、気がついたら、半年前の自分と真逆のことを言っていたりする。しかもそうした自分に気づいていない人が多い。


日本人は空気を読むのが上手。しかしその弊害も……(写真はイメージです)

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