宋文州氏は何度も言う。日本人のココがヘンだ:仕事をしたら“やっぱりヘンな日本人”がいた(後編)(5/5 ページ)
ソフトブレーン創業者の宋文州さんは、これまで「日本のおかしいところ」をバッサリ切ってきた。今年で来日28年目を迎えるが、「日本人って変わらないなあ。昔のままだ」という点があるという。それは……。
土肥:具体的にどういったことでしょうか?
宋:東日本大震災後の原発事故を思い出してくださいよ。当時は、もうどんなことがあっても原発政策は見直すべき! と、ほとんどの日本人はそう思っていました。でも、いまはどうですか? 原発は継続してもいいんじゃないの? と思っている人が増えてきていますよね。
原発事故が起きたときには、ものすごく痛い経験をしたはずなのに、あのときの気持ちはどこに行ってしまったのでしょうか。まだ3年も経っていないんですよ。
震災後、日本のあちこちで「がんばれ日本」を連呼していましたよね。それを目にしたとき「これからの日本は変わるかも」と期待しました。でも、その後の姿を見ていると、あーちっとも変わってないなあと感じてしまう。
土肥:よく日本人は忘れっぽいとも言われますが、先ほど宋さんがご指摘されたように、やはり「自分の意見を持っていない」ことが原因にある?
宋:そうですよ。原発事故が起きたときには「原発に反対」と思っていても、その後は空気に流されて、長いものに巻かれてしまって……意見をコロっと変えてしまう。よく日本人って個性がない、と言われますが、自分の意見がないのに個性なんてあるわけがない。じっとしていても個性は生まれてきませんので、外国人を受け入れて、彼らと一緒に生活していく中で、個性をつくっていくことも必要かなと思っています。
土肥:なるほど。前編でもご指摘されていましたが、隣に住む外国人を嫌がってはいけない、ということですよね。
宋:ですね。他人のせいばかりにするのではなく、自分から変えていかないと、なにも変わらないですよ。
(終わり)
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