TPP反対だからってホント? 東京地検特捜部が徳州会を狙う理由:窪田順生の時事日想(2/3 ページ)
医療法人「徳州会」グループの公職選挙法違反容疑で、東京地検特捜部が徳田毅衆議院議員の事務所を捜索した。マスコミは「過去に例のない組織的な選挙違反の疑いがある」としているが、そもそもなぜこのタイミングなのか。それは……。
なぜこのタイミング?
あの“戦争”を思い返せば、「過去に例がない」と大袈裟に驚くような話でもない。そんなことより個人的に気になるのはなぜこのタイミングかということだ。
一般の方にはあまりなじみがないが、公職選挙法違反というのは選挙前からだいだい目星をつけてある。身近に、選挙に初めて出る人がいればよく観察してみるといい。明らかに目つきの悪い男たちが、候補者や運動員を尾行し、遠目にビデオを撮影したりしているはずだ。
かつて公職選挙法違反で逮捕された国会議員も言う。
「公職選挙法で捕まるのは、白バイのネズミ取りやオービスの場所をしらない若葉マークのドライバーなんですよ」
1950年(昭和25年)にできてからろくに改正されていない公職選挙法にはバカみたいなルールが山ほどある。例えば、運動員にお茶を出してもOKだが、ジュースはアウトとか。つまり、四六時中見張っていれば、素人は必ずミスを犯す。当選後に「維新」の新人候補がバタバタ捕まったのは、これが理由だ。
そんなネズミ取りスタイルの摘発がお約束なのに、昨年12月の選挙で、しかも特捜部マター。普通はありえない。
だから、怪情報も飛ぶ。徳田毅と「徳州会」を刺した特捜部のバックには、米国がいるのでは――。なぜかというと、徳田毅は自身のブログで痛烈な米国批判をしているほどの「TPP反対派」だからだ。
これまでの日米経済交渉では、オレンジ、米、自動車、半導体などひとつひとつで厳しい交渉をしてきた日本が、貿易、金融、保険、知的財産、政府調達、医療、教育など全ての分野において、米国が定める経済ルールを全て押し付けられ、我が国は主権国家であるにもかかわらず、何一つ決めることが出来なくなり、果として次世代の子供たちは日本の国創りが出来なくなるということが本当にわかっておられるのでしょうか。(徳田毅オフィシャルブログ2012年11月12日より)
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