なぜ人間は買い物をするのか? 人を動かすツボは18パターンある:仕事をしたら“人の動き”が見えてきた(1/7 ページ)
人ってなぜ買い物をするのか?――そんなことを疑問に感じたことがある人は少ないだろう。何も考えずに買い物をしている……と思っているかもしれないが、実はあるツボを押され“動かされている”かもしれないのだ。
「ドイさん、人間ってなぜ“動く”と思いますか?」――。
知人のNさんに、こう聞かれて困ってしまった。なぜ動くって、そんなの人間だから……とモゴモゴしていると、人の消費行動を研究している人物がいるという。
その名は、博報堂行動デザイン研究所の國田圭作所長。過去の膨大な事例から、人を動かすツボ、行動に導くパターンを研究しているそうだ。人はどんなツボを押されると動いてしまうのか。事例を含めて聞いてきた。
なぜ人は動かなくなったのか
土肥:國田さんはオモシロイことを研究されていますね。過去のデータを調べて、人を動かすツボを見つけられたとか。そもそも、なぜそんなことを調べているのでしょうか?
國田:まず、下のグラフを見ていただけますか? これは過去の情報量を比較したもの。1996年の情報量を基準にすると、2006年には530倍に膨れ上がりました。2013年の今、この情報量はさらに増えているはずです。つまり、情報量が多すぎるんですよね。その結果、「知っているけど……」「広告は好きだけど……」といった感じで、人がなかなか動かなくなりました。
プロモーションやキャンペーンをしても、“一発花火”のように終わってしまうケースが増えてきました。花火が落ちてしまうと、みんな忘れてしまう……といった感じで。「これではいけない」ということで、まず忘れられないような行動をつくるのにはどうしたらいいのか? ということを考えました。その結果、私たちは「これまでの発想とは逆のことをすればいいのではないか」という案が浮かびました。
土肥:どういうことでしょうか?
國田:下の図を見ていただけますか? 人というのは、まず「認知・理解」があって、次に「好意・関心」「検討・探索」を経て、「購買・行動」に結びつきます。
関連記事
- なぜ人は駅で買い物をするのか? 潜在意識を分析した
何気なく歩いていて、ついつい買い物をしてしまった。こんな経験をしたことがある人も多いのでは。なぜ人は移動中に買い物をしてしまうのか。生活者の購買行動などを分析している「ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター」の担当者に話を聞いた。 - なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのか
ローソンでスイーツの販売データを見せてもらった。それによると「エッグタルト」はあまり売れていないのに、店頭に並び続けている。人気のない商品は消えていくはずなのに、なぜ「エッグタルト」を売り続けるのか。 - コカ・コーラのようなマーケティングが、日本でできない理由
とあるコンサルティング会社が発表した「企業のブランド価値」ランキングによると、「コカ・コーラ」が13年連続でトップ。日本企業を見ると、トップは「トヨタ」で10位どまりだ。Neo@Ogilvyの山崎浩人さんは、コカ・コーラはある特徴的なマーケティングをしているという。 - 宋文州氏が語る、日本人が「多様性」を受け入れられないワケ
日本に多様性は必要だと思いますか? こう聞かれると、ほとんどの日本人は「必要だ」と答えるはずだ。にも関わらず、なぜ日本では多様性を受け入れる考え方が広がらないのか。その疑問を、ソフトブレーン創業者の宋文州氏にぶつけてみた。 - エキナカ自販機の売上が、伸びている理由
自販機市場が低迷する中、売り上げを伸ばしている会社がある。そのひとつが「東日本ウォータービジネス」社だ。同社はエキナカに自販機を展開しているが、どのようにして売り上げを増やしていったのか。そのナゾに迫った。 - 仕事をしたら○○が見えてきた・バックナンバー:
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.