インタビュー
なぜ人間は買い物をするのか? 人を動かすツボは18パターンある:仕事をしたら“人の動き”が見えてきた(4/7 ページ)
人ってなぜ買い物をするのか?――そんなことを疑問に感じたことがある人は少ないだろう。何も考えずに買い物をしている……と思っているかもしれないが、実はあるツボを押され“動かされている”かもしれないのだ。
土肥:なるほど。あるお店では「毎日がセール」をウリにしていますよね。そうなると、ちょっとやそっと安くても「買いたいな」と思わなくなってしまいますよね。
國田:また「風物詩にすると、人は動く」という分析もあります。今年の5月に隅田川で「東京ホタル」というイベントがありました。太陽光蓄電のエコLED球(いのり星)を10万個、スカイツリーのたもとの隅田川に放流しライトアップされた風景をみんなで楽しむ、という企画です。
「いのり星を放流・観覧する権利」は1個1000円するのですが、今年も完売しました。このイベントは2012年のスカイツリー開業に合わせて始まったのですが、5月の風物詩として定着する可能性が高いのではないでしょうか。
土肥:風物詩といえば「恵方巻き」なんかは、ここ数年急速に広がりましたよね。
國田:送り手の一方的な意図だけではなく、生活歳時として人に受容される設計があれば、まだまだ新しい風物詩を創り出すことは可能でしょう。
慌しく過ぎていく日々の中で、生活の節目となるイベントを人は常に求めています。そのイベントに参加するために、いわば“参加料”として購買行動が発生しているのではないでしょうか。
関連記事
- なぜ人は駅で買い物をするのか? 潜在意識を分析した
何気なく歩いていて、ついつい買い物をしてしまった。こんな経験をしたことがある人も多いのでは。なぜ人は移動中に買い物をしてしまうのか。生活者の購買行動などを分析している「ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター」の担当者に話を聞いた。 - なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのか
ローソンでスイーツの販売データを見せてもらった。それによると「エッグタルト」はあまり売れていないのに、店頭に並び続けている。人気のない商品は消えていくはずなのに、なぜ「エッグタルト」を売り続けるのか。 - コカ・コーラのようなマーケティングが、日本でできない理由
とあるコンサルティング会社が発表した「企業のブランド価値」ランキングによると、「コカ・コーラ」が13年連続でトップ。日本企業を見ると、トップは「トヨタ」で10位どまりだ。Neo@Ogilvyの山崎浩人さんは、コカ・コーラはある特徴的なマーケティングをしているという。 - 宋文州氏が語る、日本人が「多様性」を受け入れられないワケ
日本に多様性は必要だと思いますか? こう聞かれると、ほとんどの日本人は「必要だ」と答えるはずだ。にも関わらず、なぜ日本では多様性を受け入れる考え方が広がらないのか。その疑問を、ソフトブレーン創業者の宋文州氏にぶつけてみた。 - エキナカ自販機の売上が、伸びている理由
自販機市場が低迷する中、売り上げを伸ばしている会社がある。そのひとつが「東日本ウォータービジネス」社だ。同社はエキナカに自販機を展開しているが、どのようにして売り上げを増やしていったのか。そのナゾに迫った。 - 仕事をしたら○○が見えてきた・バックナンバー:
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.