南場智子さんが語る、意思決定のスピードが大切な理由:『不格好経営』の著者が伝えたいこと(後編)(1/4 ページ)
会議をしていて「なかなか決まらないなあ」といった経験をしたことがある人も多いのでは。DeNAの創業者・南場智子さんは「意思決定は早いほうがいい」という。その理由は……。
『不格好経営』の著者が伝えたいこと:
「1999年、マッキンゼーのコンサルタントとして調子よくやっていた私は、何かに取り憑かれたように起業し、それまで順風万帆だった多くの人の人生を荒波に巻き込み、四方八方に迷惑をかけながら失敗のフルコースを片っ端から経験して、DeNAを立ち上げた」――。これはDeNAの創業者・南場智子さんの著書『不格好経営―チームDeNAの挑戦』(日本経済新聞出版社)の一文だ。
DeNAは、携帯電話向けのオークションサイト「モバオク」などを展開。その後もモバイルサービスを中心に業界を牽引することになるが、2011年、南場さんは突然社長を退任した。夫が病に倒れ、「自分の優先順位が社業から家族に切り替わってしまった」。ただ夫の健康状態が変化し、現在は仕事の時間を増やすことにしたという。
社長を退任してから2年――。現場から離れて何を感じていたのだろうか。今後のことについて、どんなことを考えているのだろうか。最近の心境を語ってもらった。前後編でお送りする。
→南場智子さんが語る、マッキンゼーの経験が役に立たなかった理由(前編)
→後編、本記事
意思決定のスピード
――社長の仕事で「意思決定」は大切だと思われますか?
南場:そうだと思いますが、私はかなり迷う人なんですよ。例えば、外食しているときにメニューを見て「何食べようかな」と迷う。メニューを3回ほど変更することがありますね。またウエイトレスに注文したあとに気が変わって、厨房まで追いかけていって変更したこともあります。重要なことも重要でないことも、ウジウジ悩むタイプなんですよ。
ただその性格がそのままビジネスに出てしまうと、組織が混乱してしまう。決めるタイミングなのになかなか決まらないと、組織がストレスを感じてしまうんですよ。例えば、まだ時間に余裕があるときでも「今日のミーティングで決める」というときには、決めなければいけません。なぜか? そうしないと、担当者は「今日決まるのかな?」「いつ決まるのかな?」と待ち構えなければいけません。そして「あ、また決まらなかった……」となると、そこから違う作業をしなければいけない。そうした細かいストレスが、現場にたまっていくんですよ。
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