ユーザーが望むなら、やるべきだ――ディズニー日本法人が「MovieNEX」を作った理由:米本社よりも進んでいる(1/2 ページ)
ディズニーの新コンセプト「MovieNEX」は、日本法人のアイデアで世界に先駆けて始まった「作品」販売方法だ。その狙いをゼネラルマネージャーの塚越隆行氏に聞いた。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
映画を見るなら映画館よりも自宅で――そんな家庭も多いのではないだろうか。映像を収録する媒体もVHSからDVD、ブルーレイと移り変わり、いまではオンデマンドで映画が楽しめる。
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは、この夏大ヒットした映画『モンスターズ・ユニバーシティ』の映像ソフトを11月20日に発売する。同社はこの作品から単なるブルーレイというメディア販売ではなく、デジタルダウンロード権をも含む「MovieNEX」という形態での提供に移行する。
MovieNEXでは、メディアにとらわれず「作品」を所有できるというが、その狙いは何なのか? ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ゼネラルマネージャーの塚越隆行氏に聞いた。
MovieNEXでモンスターズ・ユニバーシティの視聴スタイルはこう変わる
同社が新たなパッケージ形態と定義するMovieNEXは、従来のDVD+ブルーレイというコンボパッケージに加え、ダウンロード/ストリーミングで映画を楽しめるクラウド対応のデジタルコピー、さらに購入者だけがアクセスできるWebサイト「MovieNEXワールド」を含んだものだ。ストリーミングでの配信ではグーグルおよびドワンゴとパートナーシップでサービスを提供する、日本独自の「世界」となる。
MovieNEXでは具体的に何ができるのか。もちろんリビングでは従来どおりブルーレイ/DVDを再生して高画質な映画を楽しめる。それに加え、スマートフォンやタブレット端末ではGoogle Playやドワンゴなどのパートナーサイトからのストリーミング視聴が可能となる(iTunesでのダウンロード視聴もできる)。
すでに、一人ひとりがスマートフォンやタブレット端末など「個画面」を持っている時代。これまでは円盤メディアを所有していても別途オンデマンド版を買う必要があった。MovieNEXは1つのパッケージを購入することで、メディアを問わず映画を「所有」できるのだ。
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