オリンピックが開催されても、鉄道網が整備されない理由:杉山淳一の時事日想(1/6 ページ)
2020年東京オリンピックの開催決定で、交通インフラの整備が活気づく。しかしJR東海はリニア中央新幹線の前倒し開業を否定、猪瀬都知事も鉄道整備に消極的だ。オリンピックは鉄道整備の理由にならない。それは1964年の東京オリンピックの教訓があるからだ。
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。
東京オリンピックの開催決定は経済界にとっても良いニュースだった。オリンピック開催は、競技会場と都市基盤の整備を合わせて実施する例が多いからだ。鉄道に関しては、リニア中央新幹線、都心直結線、ゆりかもめ延伸などに期待の声が上がった。
しかし、リニア中央新幹線はJR東海社長が前倒し開業は不可能と即座に否定。押上駅―東京駅―泉岳寺駅間を結ぶ都心直結線についても猪瀬都知事は否定的だ。猪瀬都知事は鉄道よりも首都高速の拡充と東京港新客船ターミナル構想に注目している。
オリンピックがなぜ鉄道整備に直結しなのいか。それは1964年に開催された東京オリンピックの教訓があるからだ。
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