ツイートは災い元!? プロ野球選手の舌禍今昔物語:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/2 ページ)
東京・三鷹で発生した痛ましい女子高校生殺害事件。あるプロ野球選手がこの被害者を侮辱したともとられかねないツイートを行って謹慎中だ。日米球界でこの手の舌禍騒動は枚挙にいとまがない。
著者プロフィール:臼北信行
日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
口は災いの元とは、まさにこのことだ。千葉ロッテマリーンズの神戸拓光外野手が、不適切なツイートによって猛烈な批判を浴びてしまった。
神戸は2013年10月10日朝にTwitterで「何の事件か伏せるにせよTVで報じられないあんな画像が流出してたら『可哀想』とは1ミリも思わん。『可愛いふりしてやる事やってんじゃん』って事。今回のそれは【なるべくしてなった】・・自業自得だヽ(・∀・)ノ」と投稿。
同8日に東京・三鷹で刺殺された被害者の女子高校生を侮辱したと疑われる内容だったため炎上し、球団側にも苦情が殺到した。事態を重く見た球団は宮崎でフェニックスリーグに参加中だった神戸を帰京させて自宅謹慎処分を課し、近々にも最終処分を下す方針を固めている。
どのような処分内容になるにせよ、今回の暴言によって神戸が自らの野球人生に埋めようのない大きな傷跡を残してしまったのは間違いない。殺害されてしまった被害者を冒とくする行為など言語道断だ。
泣かず飛ばずの二線級選手が天狗になったワケ
神戸は10日夜に問題発言を削除し、謝罪発言をツイートしたが「時すでに遅し」。ロッテの球団社長が神戸の不適切発言で謝罪に追い込まれるなど、クライマックスシリーズの盛り上がりに水を差す事態にまで発展してしまった。
それにしても、なぜ神戸はこのような自らの首を締め上げる問題行動を起こしてしまったのか。検証してみると、彼の中には気付かぬうちに「うぬぼれ」が芽生えてしまっていたようだ。
神戸は2006年のドラフトで指名されてプロ入りしたものの、なかなか一軍に定着できずにいる。プロ7年間の一軍通算成績も92試合出場で打率1割9分8厘、4本塁打、17打点と泣かず飛ばず。そういう二線級の選手が実はつい最近、意外なことでメディアから脚光を浴びていた。自身のブログで日航機墜落事故についての思いをつづったのだ。
2013年8月12日に「茜雲―あかねぐも―(参照リンク)」と題したブログ記事を更新すると瞬く間に反響を呼び、Twitterでも1万人以上がリツイート――。ここまでは良かった。ところがネットの世界で一躍、時の人となった神戸を一部のタブロイド系夕刊紙が大々的に1ページ近くを割く記事として取り上げたことから本人に大きな「勘違い」が生じるようになったという。ロッテの球団関係者は次のように憤る。
「神戸は夕刊紙の特集記事で『文章力や表現力がすごい』と持ち上げられて、すっかり舞い上がってしまった。普段、彼はプレーでまったく注目されることがなかっただけに記事の反響の大きさもあって鼻の下を伸ばしてしまったのです。日航機墜落事故のブログが評価されたことで『自分は社会派なんだ』と勝手に気取ってしまっていたようですね。一度そういう味を占めたことから、また注目を集めたい気持ちもあって、あのようなとんでもないツイートをしたのでしょう。本当に情けない。『自業自得』とは神戸自身のことです」
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