プロのポーカープレイヤーって何? 優勝賞金5000万円を手にした男に聞く:世界王者・木原直哉氏の生き方(2/6 ページ)
2012年の世界大会で優勝賞金5000万円を獲得した、プロ・ポーカープレイヤーの木原直哉氏。東大卒のキャリアでポーカーを生業とする道を選んだ木原氏は、どのような思いでポーカーと向き合っているのだろうか。
ポーカーにこだわっているわけではない
――プロとして、どういったプレイヤーを目指しているのですか。夢や目標を教えてください。
木原:やるからには、トップを目指します。ビジネスの世界でも、「スティーブ・ジョブズ」「ビル・ゲイツ」のように誰もが名前を挙げる有名人がいますが、ポーカーの世界でそういった存在になりたいですね。直近の目標では、海外の大きなトーナメントで優勝すること。
誰もが知っている有名プレイヤーになるのは目標というより夢ですが、可能性はゼロではない。ビジネスの世界でトップになる可能性はさすがにゼロだと思いますが、数億人いるポーカープレイヤーの上位10人に入る可能性はあると思っています。今は、数億人のうちの数百番の位置にいると自覚しています。まだまだ実績が足りないので、タイトルが欲しいですね。
――トップになりたいというのは、オリンピック選手が金メダルを取りたいのと同じ気持ちですか?
木原:そうですね。トップになりたいと思わないと、トップにはなれないですし。結果的に2位だったとしても、それはすごく立派な成績だと思います。
ただ、スポーツ選手は誰の目にも努力したのが明らかですが、ビジネスやポーカーの世界で何千万円を獲得したと聞くと、「そんな大きなお金けしからん! ふざけるな!」と思う人もいます。努力したかどうか分からないですし、運の要素もありますから、そうした声が出てくるのでしょう。そういう声にいちいち耳を傾けてもしょうがないですが、そこは違う部分です。
――木原さんはほかの頭脳ゲームも得意ということでしたが、ポーカー以外のゲームでプロになることは考えなかったのですか。
木原:東大在学中は将棋部でした。実は、ポーカーよりも麻雀やバックギャモン(盤上に置かれた15個の駒すべてをゴールさせ、その早さを競うゲーム)のほうが強いんです。最近ようやくポーカーの実力が追いついてきました。運の要素が絡んで確率を使うあらゆるゲームが得意なのですが、ポーカーは賞金額がほかと違います。
バックギャモンは世界で一番大きな大会で優勝しても400万円しかもらえません。麻雀は日本限定ですし、タイトルを取っても100万円程度。それがポーカーになると、優勝賞金は約9億円です。
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