プロのポーカープレイヤーって何? 優勝賞金5000万円を手にした男に聞く:世界王者・木原直哉氏の生き方(6/6 ページ)
2012年の世界大会で優勝賞金5000万円を獲得した、プロ・ポーカープレイヤーの木原直哉氏。東大卒のキャリアでポーカーを生業とする道を選んだ木原氏は、どのような思いでポーカーと向き合っているのだろうか。
実力をつければ、運が少なくても勝てる
――ポーカーってどうしても運に左右されることがありますよね。運やツキについて、どう考えていますか。
木原:よく「運が良い」とか「悪い」とか言いますが、それはある過去の時点から現時点までのことを指しているだけで、未来は分かりません。
実力をつければ、運が少なくても勝てます。運が60の人は実力40で合計100になるし、運が40の人は実力を60にしないと100にならない。運は日によって変化しますが、実力は積み上げていくことができます。ポーカーの場合は、ひたすらプレイを続けて経験を蓄積することです。
――木原さんは著書の中でこのように書かれていましたよね。「運が来た時に勝ちきるために日頃から技術を磨くことが重要だ」と。
木原:結局、勝つためには運と実力の両方が必要なんです。実力をつけるための努力は絶対必要です。
――ジンクスなどはあるのでしょうか? 例えば、絶対に負けられない日には、勝負服を着ていくとか。
木原:ないですね。“ゲン担ぎ”もしないですし、そういう類いのものは信じていません。勝負服を着て結果的にモチベーションが上がって良い精神状態をもたらしたり、その服のフィット感が集中力を高めたりということはあるかもしれません。しかし、その服を着たから運が上昇する、というような直接的な影響はないと思っています。
――最後の質問です。収入や将来のキャリアという面で、不安はありませんか。
木原:よく「安定」と言いますが、日本にいる限りどんな仕事でもそこそこ安定した生活はできますよね。月15万円あれば、それなりに自由気ままに生活できるはず。夢破れても、日本なら生きていけます。
日本で餓死するとニュースになりますよね。日本人にとっては珍しいからニュースになるのですが、世界的に見るとそれがニュースになること自体が珍しいこと。日本人は恵まれているし、こんなに住みやすい国はないと思います。
――一般的に仕事を決める、転職するなどの選択は大きな決断だと思うのですが、そういった意識もなかったのですか。
木原:自分がプロになるのは自然なことで、そもそも就職や転職が大きな決断だと思いません。今の仕事が嫌だと思うなら、辞めればいいんですよ。
――会社員の私にとっては耳の痛い言葉です……。本日はありがとうございました。
(終わり)
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