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「ななつ星in九州」に見る、乗客をつくるビジネス杉山淳一の時事日想(6/6 ページ)

鉄道会社が観光列車開発に力を入れ始めた。日本に新たな旅の文化が生まれたと言っていい。こうした「鉄道で遊ぶビジネス」は、鉄道会社が苦手としていたが、他の業界では当たり前のことだった。

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 日本の鉄道会社は「輸送する道具」としての列車運行はとても得意だ。その半面「鉄道で遊ぶ」需要の掘り起こしは苦手だった。しかし、「ななつ星in九州」は「鉄道で遊ぶ」に真剣に取り組み、営業的には攻めの姿勢である。以降、多くの鉄道会社で「レジャーの手段としての列車開発」「能動的に乗客を生み出す」という考え方が生まれたようだ。

 「お客さんがいなければ作ればいい」という、ビジネスの当たり前の行動に鉄道会社が気づいた。そういう発想ができる世代がキーマンになっているのだろう。今後はどんな手で攻めてくるか。ターゲットとなる乗客を見据えて、コンセプトをしっかり作る。日本の鉄道は、速さや安全性だけではなく、文化的にもさらに進化していきそうだ。そして、こうした文化こそ、海外への鉄道の売り込みに重要かもしれない。


JR九州は特急列車や観光列車をまとめて「D&S(デザイン&ストーリー)列車」としてブランド化している
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