失敗することにびびってないか?――メガネECベンチャー創業者がスタンフォードで学んだこと:これからの働き方、新時代のリーダー(1/4 ページ)
メガネ専門のECサイト「Oh My Glasses」を立ち上げた若き起業家、清川忠康さん。大手証券会社などで企業再生ビジネスを手掛けていた同氏が留学先で受けた衝撃とは?
リニューアル記念企画「これからの働き方、新時代のリーダー」
「アクションリーダーの『知りたい!』に応えるオンラインビジネスメディア」を統一コンセプトとして、9月2日にリニューアルしたBusiness Media 誠 & 誠 Biz.ID。Business Media 誠では「アクションリーダーに会いに行く」をテーマに、さまざまな識者の方にお話を聞いていきます。
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2012年1月に、メガネ専門のECサイトとしてスタートした「Oh My Glasses」は、購入決定前にフレームを5本まで自宅でじっくりと試せること、度数情報があれば度入りレンズも加工して送ってくれることなどを差別化ポイントとしてスタートした。メガネの世界的な生産地である鯖江(福井県)の製品や、同社のプライベートブランド「+omg」など100ブランド以上4000種超を取り扱い、クチコミを中心にユーザー数は増加している。
「メガネ業界のあり方そのものを、ネット発でひっくり返したい」――清川忠康社長がスタンフォード大学在学中に感じた起業家マインド、そしてアクションリーダーとして常に現場で心掛けていることとは何か? 聞き手はBusiness Media誠編集部の岡田大助。
→前編:「メガネのネット通販で業界全部をひっくり返してみせる――Oh My Glasses、清川忠康社長」
ビジネスに対する価値観が180度変わったスタンフォード時代
清川忠康/1982年大阪府生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、インディアナ大学大学院修士課程修了ののち、2007年、UBS証券に入社し、消費材業界に対するコーポレートファイナンス業務に従事。2008年、経営共創基盤に入社。2009年、スタンフォード大学経営大学院に留学。2011年11月、株式会社ミスタータディ(現:オーマイグラス株式会社)を創業
岡田: Oh My Glassesをスタートする直前、スタンフォード大学に留学していますよね。そこで何が得られたのでしょうか?
清川: 価値観が180度変わりました。ビジネスに対する考え方、失敗に対する考え方、人に対する評価の仕方、就職先の決め方……。すべてが日本と違っていました。
スタンフォード大学というところは他の大学と変わっていまして、卒業後の進路を聞くと日本でも人気の高いコンサルティングファーム、大手金融や商社といったキャリアにはまったく人気がない。圧倒的な1番人気は「起業家」なんです。
それから周りに起業家がたくさんいるという環境も、自分の中に大きな変化を起こしました。例えば、エリック・シュミット(Googleの元CEO)が教鞭をとっていて直接対話できます。ほかにもたくさん起業家がいて、自分のアイデアについてコメントをもらったり、一緒にランチをしたりするだけでも刺激になります。
岡田: 実際に起業した人、それも成功者といえる人たちが、その辺をフラフラしているわけですね。日本だったらアポイントメントをとれるかどうかさえ分からない。うらやましい環境です。
清川: そうですね。さらに大きかったのが、そういう世界的に有名な人でもない、もっと身近なところにもたくさん成功者がいたということです。例えば、3学年、4学年先輩に起業した会社をGoogleに300億円で売却した人とかがいるわけです。
そういった社会にインパクトをもたらした人が身近にいると、「すごい」と思うよりも、「あれ? 自分とそんなに変わらない人たちだよね。自分だって同じことができるだろ」という気持ちが強くなってきます。
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