なぜコーヒーを“手渡す”のか? ローソンがセルフ式を捨てた理由:仕事をしたら“コーヒー”ができた(後編)(5/5 ページ)
いれたてのコーヒーをコンビニで買う、そういう人が増えてきた。多くのコンビニがセルフ式で展開する中、ローソンはスタッフによる“手渡し”。その理由は……。
成功を積み上げていく
土肥: 吉澤さんの話を聞いていると、「決断」の連続といった感じですね。
吉澤: 「こっちじゃないか。いや、あっちかもしれない」といった感じで迷ってばかりいると、新規ビジネスはなかなか生まれないでしょうね。
競合他社との違いをつくる、というのは常識ではなく、非常識でないとつくれません。でも私のような非常識な人間が目の前に出てくると、多くの人は拒絶反応を起こします。違いをつくればつくるほど「こんなモノは売れない」「できるわけがない」といった声がでてくるんですよね。
土肥: 吉澤さんが「これでいこう」と決断したのに、反対する人が出てくる。そうしたときにどのようにして説得されたのですか。
吉澤: とにかく結果を出すしかありません。ある上司にこのように言われました。「最初に大風呂敷を広げると、反対勢力の抵抗にあう。いろいろそぎ落とされた挙句、つぶされてしまう」と。なのでコーヒーの実験店は、いきなり100店舗から始めるのではなく、まずは2店舗から始めました。そこで徹底的に成功させる。成功の事実があったので、次のステージに進むことができました。10店舗、20店舗といった形で。
土肥: 事実を見せて、事実で説得していかれたわけですね。
吉澤: 私は会社のトップではなく、やんちゃなおっさん。個人のキャラに依存しても前には進めないので、“成功を積み上げていく”ことだけを考えてやってきました。
土肥: 「やんちゃなおっさん」……いいですねえ(笑)。やんちゃなおっさんには、やんちゃなおっさんなりのやり方がある。これからもたくさんの成功を積み上げて、私たち消費者を楽しませてください。本日はありがとうございました。
(終わり)
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