「面白いなあ」と思うCMが、なぜ減っているのか:仕事をしたら“面白い広告”ができた(1/5 ページ)
その昔、会社や学校で「○○のCMって、面白いなあ」という会話があったが、最近はめっきり減ってしまった。その理由について、これまで数多くのCMを手掛けてきた、電通CDCの高崎卓馬さんに聞いた。
「高崎卓馬」という人物をご存じだろうか。広告代理店・電通で、いま最も注目されている人物のひとりだ。
肩書きは「エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナー」。彼が手掛けたCMを挙げると、多くの人は「あ〜、それ見たことがある」と言うだろう。例えば、サントリーの「オラジーナ・ムッシュはつらいよ」「オールフリー・これがいいのだ」、明治のキシリッシュ「福山雅治シリーズ」、インテルの企業広告シリーズなどだ。
高崎氏のCMには、ある共通点がある。それは陳腐な表現かもしれないが、「面白い」のだ。彼は言う。「CMというのは、見ようと思わなくても見てしまうもの。だから面白くなくてはいけない」と。また「探してでも見たくなるもの、教えたくなるものを広告はもっていなければいけない」とも話す。
ドコモの「dビデオ」には、米国の俳優、ロバート・デ・ニーロが出演している。そんな大物が出ていても、視聴者をクスッと笑わせてくれるのだ。
テレビを見ていると、たくさんのCMが私たちのところに飛び込んでくる。しかし、話題になることが少なくなってきた。その昔、面白いCMは会社や学校で話題になり、それを見ていない人は取り残された感覚があったが、今はそうしたことがほとんどない。なぜか。メディアの力が弱くなったのか、それとも面白いCMが少なくなってきたのか。こうした疑問を、高崎氏にぶつけてみた。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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