インタビュー
今、農業に必要なことは? 農家は「考える」ことを止めさせられた:仕事をしたら“農業の今”が見えてきた(6/6 ページ)
「農業」と聞いてどんなことを想像するだろうか。「高齢者が作業をしている。変化がほとんどない」と思うかもしれないが、今、私たちの知らないところで“新しい動き”が出始めているのだ。それは……。
西辻: 企業研修の一環として、社員が農業体験をする――そんな企業が増えてきているんです。なぜ研修のプロブラムに農業が入っていると思いますか?
土肥: 大変だからじゃないですか。土を耕すことで、社員の心を鍛え直す。
西辻: 農業をやると分かるのですが、とにかく課題がたくさん出てくるんですよ。例えば、手押しの耕運機はものすごく重いので、女性が使いこなすのは難しい。そうしたときどうすればいいのか。一方、男性は耕運機は使えても、種をまくのが苦手だったりする。そうしたときどうすればいいのか。たくさんの課題に対して、いろいろな工夫をしなければいけません。
作業を続けていく中で最も大切なことは何だと思いますか? 作物ができあがったときのことを想像する――つまり、ゴールを見据えて作業することが重要なんですよ。いまやっていることはどういったことにつながっていくのか。そんなことを考えながら、日常生活を送ってる人は少ないですよね。でも農業はそれを考えながら、手足を動かさないといけません。さまざまな課題を乗り越えていくことで、人間力が高まっていくと思います。
土肥: ほほー、それはいい話を聞かせていただきました。誠編集部に3年目の新人が入ったのですが、彼の人間力がどーもイマイチなので、週末に農業をさせてみます(苦笑)。本日はありがとうございました。
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