年末年始のコンビニは“コロコロ”変わる――なぜそんなことができるの?:ご一緒に“おでん”いかがですか(1/4 ページ)
クリスマスが終わって、さあ次は正月の準備だ――そんな人も多いだろう。コンビニの売り場を見ても、今は正月100%といった感じ。昨日まではクリスマス一色だったのに、今日は正月一色に……。売り場を変幻自在に操れる背景には、一体何が?
著者プロフィール・川乃もりや:
コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、仕事の合間に誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を始める。
旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。
ご一緒に“おでん”いかがですか:
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
暑いときには冷たいモノがほしくなる、寒いときには温かいモノがほしくなる――。人は気温の変化によって嗜好も変わってくる。またイベントなどによっても、人の嗜好に変化が出てくるものだ。
小売の現場では、人の嗜好変化を機敏に取り入れることで、売り場を作っている。しかし、スーパーのような大きな売り場を持つ店舗とコンビニのような小さな店舗では、演出方法に違いが出てくるのだ。
一般的にスーパーは、大きな売り場で、さまざまな商品をいろんな形で販売している。売り場でクリスマスと正月を同時に演出できるのがスーパーだとしたら、コンビニはそれぞれを短期間に分けて展開している。
ざっくり言うと、クリスマス前のスーパーはクリスマス50%、正月50%の割合で商品を売り場展開しているが、コンビニはクリスマス90%、正月10%といった感じだ。12月26日になると、両方とも正月100%になるのだが、コンビニのほうが変化の振れ幅が大きい。
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