本田圭祐のサングラスはどこのモノ? 知られざるアイウエア界の王:新連載・人に話したくなるコラム(2/4 ページ)
本田圭祐が所属する「ACミラン」の本拠地に、世界最大のアイウエア企業があることをご存じだろうか。その企業は、ルックスオティカ社。聞き慣れない名前だが、実は世界シェアを8割も占めているのだ。
ルックスオティカ社が選ばれた理由
ブランドの認知度が高まるにつれ、デザイナーとの関係も深まり、1988年に同社初のライセンス契約をアルマーニと結んだ。その後、次々にハイファッション・ブランドとライセンス契約を獲得。現在は、ジョルジオ・アルマーニ、ヴェルサーチ、ティファニー、ラルフ・ローレン、プラダ、ダナキャラン、ドルチェ&ガッバーナ、バーバリー、ブルックス・ブラザーズ、ブルガリ、シャネル、コーチ、DKNY、ミュウミュウ、ポール・スミスといった一流ブランドのサングラスを製造している。
そして、ライセンス契約で得た実績と資本を元手に、有名ブランドを買収する。数多くのブランドを傘下に置いているが、同社の看板ブランドはサングラスの売り上げで世界第1位のレイバンだ。
レイバンといえば、不朽の名作ぞろい。GHQ総司令官のダグラス・マッカーサー元師や映画『トップガン』でトムクルーズが着用して人気に火がついた「アビエーター」。ジェームス・ディーン、ジョン・F・ケネディ元大統領が愛用していた黒縁のサングラス「ウェイファーラー」といった歴史的アイコンを世に出してきた。
セレブのトレードマークとなったレイバンだが、マネジメントで失敗し、1999年にルックスオティカ社が6億4000万ドルという高額で買収した。
他にも、同社が所有する主力ブランドはどれも品質・ファッション性に富んでいる。スティーブ・マックイーンが愛用したイタリアの名門ペルソール、スポーツシーンに欠かせないオークリー、ヴィンテージデザインをモダンにアレンジしたウエストハリウッド発アイウエアブランドのオリバーピープルズなどを傘下に収めている。
これだけの一流ブランドが、ルックスオティカ社を選んできた理由は、同社の実績にある。サングラスの歴史において、単なる実用品の枠を越えて、品質とファッション性を高めたのはルックスオティカ社だ。
例えば、ブランド力が低下したレイバンのサングラスは、当時1つ30ドルほどで安売りされていた。ルックスオティカ社は、それを高品質な素材を使用し、スタイリッシュで洗練された高級品へと変貌させ、5倍以上の価格で売ることに成功した。
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