本田圭祐のサングラスはどこのモノ? 知られざるアイウエア界の王:新連載・人に話したくなるコラム(3/4 ページ)
本田圭祐が所属する「ACミラン」の本拠地に、世界最大のアイウエア企業があることをご存じだろうか。その企業は、ルックスオティカ社。聞き慣れない名前だが、実は世界シェアを8割も占めているのだ。
先見の明
年々拡大しているアイウエア産業で、品質とデザインにおいてファッションブランドが求める魅力的な製品を作り続けることは容易ではない。アイウエアは今では、単なるアクセサリーにとどまらず、ブランドの世界観を表現するアイテムと捉えられている。
斬新なデザイン、印象的なロゴ、一番目につく場所に着用するアイウエアは、ブランドイメージや知名度を上げる最高の広告塔になる。そのため、これまで以上にファッション性が重要視されるようになってきているのだ。
アイウエアをファッションアイテムに変えた先駆者だからこそ、ブランドからの絶対的な信頼を得ているのだ。しかも、ファッションの中心であるイタリアの企業であるルックスオティカ社のブランド力は強力で、非常に有利なのだ。
デザインや品質の向上だけではなく、ビジネス戦略でもルックスオティカ社は先見の明があった。同社が世界のトップに立てたのには、独自の販売網を持つことの重要性を早くに気づき、1970年代半ばごろから小売店を買収してきたことが大きい。
今では、全世界に販売網を持つ米国最大のアイウエア小売店である「LensCrafters(レンズクラフターズ)」や「Pearle Vision(パール・ビジョン)」、オーストラリアとニュージーランドに強い販売網を持つ「OPSM」と「Laubman & Pank(ローブマン&パンク)」、ラテンアメリカを拠点とする「GMO」などを傘下に収めている。さらに2001年には、米国の「Sunglass Hut(サングラス・ハット)」を買収したことで、小売業で世界トップのポジションを確保した。
販売網は130カ国以上になり、40もの主要市場をすべて手中に収めるまでになった。2013年末の時点で全世界7000店舗に展開し、ビジネスの成長戦略となる卸と小売店が強化された。新しい販路として、大手百貨店や免税店、ここ数年で売り上げが倍以上に成長しているeコマースなどへの投資も積極的だ。
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