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社長が分かっていそうで分かっていない、IT経営のカンどころ新連載・松岡功の時事日想(3/3 ページ)

「ビジネスやマネジメントにITをどう生かせばいいのか」といったことで悩んでいる人も多いのでは。今週からスタートした松岡功の時事日想では、「IT経営」に関わるさまざまな話題を取り上げていく。

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経営者こそがIT化の陣頭指揮を執るべき

 ベリテではBIツールを活用したこうした取り組みにより、本格運用を始めて半年余りが経った中で、売り上げや客単価が前年同期に比べて着実に伸びているそうだ。ちなみに同社が導入したBIツールは、ウイングアーク1stが提供する「MotionBoard」というソフトウェア。MotionBoardは「情報活用ダッシュボード」とも呼ばれ、これまで経営サイドだけが利用するケースが多かったBIツールを、現場サイドでも手軽に活用できるようにしたのが特徴である。

 平野氏は、こうしたIT経営の取り組みについて、自らの考えをこう語っている。

 「経営者が何を見たいかを明確にして、膨大なデータの中からどの項目のデータをひろい出すかが非常に重要だ。どの数字を追いかけるのが効果的なのか、成果が出やすいのか、あらゆる角度から検証する必要がある。そうして見出したKPIの内容こそが経営者の意図であり、現場と予測数値の確度を高めていくプロセスと相まって、ほかにはない自社だけの経営ノウハウが積み上がっていくと確信している」

 平野氏のIT経営に向けたリーダーシップぶりがうかがえるコメントである。先のアクセンチュアの調査結果からは、経営者こそがIT化の陣頭指揮を執るべきだというIT経営の勘所が浮き彫りになったが、ベリテの取り組みはその実践に向けた格好の事例といえるだろう。

 本コラムのテーマをIT経営にしたのは、「ITと経営は一体のもの」という意味も込めたつもりだ。「ITのことは専門家に任せてある」「ITなんか分からなくても経営に支障はない」…こんな考え方はもう通用しなくなる。経営者、あるいは経営者を目指している方々は、まずそのことをしっかりと認識していただきたい。

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